ファッション

「ケンゾー」2016年春夏パリ・メンズ・コレクション

REPORT

シンプリシティーの中に機能性を秘めた大人の探検服

毎シーズン凝った演出も見応えの「ケンゾー」。今季は会場一面に砂を敷き詰め、砂漠の世界を作り上げた。あちこちに置かれた大きな岩は断面がキラキラと輝き、ライトを浴びることでさらに美しく反射している。まるで違う惑星に降り立ったような気分にさせる架空の世界に登場したのは、同じくデザート・カラーに身を包んだ砂漠の探検家たち。アイキャッチなモチーフの代わりに機能と実用性をのせ、洗練された大人のユニフォームにまとめている。

大きなユーティリティー・ポケット付きのジャンプスーツやサファリジャケットなどで、ワークウエアの要素を強めていく。素材は紙のように薄くてスムースなパラシュートナイロンや、細かいシワ加工を加えたコットンなど。ただし、単なるリラックスしたユニフォームでは終わらせないのがウンベルト・レオンとキャロル・リムらしいところ。ユニークだったのは、パラシュートから着想し、洋服のあらゆるところに垂らしたストラップのディテール。ラグランスリーブに添わせたり、トップスに大胆にクロスさせたり。“PULL”の文字が示す通り、それらのひもを引っ張るとシルエットが自在に変化するという仕掛けだ。どんなフォームに変わるのかは、着てみてのお楽しみ。機能的なツールであるストラップを、ファッションのツールに昇華させた。

LOOK

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