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自分が“当事者”と思える課題って何だろう? エディターズレター(2020年11月24日配信分)

※この記事は2020年11月24日に配信した、メールマガジン「エディターズレター(Editors' Letter)」のバックナンバーです。最新のレターを受け取るにはこちらから

自分が“当事者”と思える課題って何だろう?

 サステナビリティというと、「環境保全」「気候変動対策」に取り組む話題が多いと思うのですが、“持続可能性”という点ではもっといろいろな側面があります。SDGs(持続可能な開発目標)の「世界を変えるための17の目標」を見ると、「質の高い教育」や「ジェンダー平等」「平和と公正」などの項目があり、だいぶ多岐に渡ります。

 「貧困」もそのひとつです。1番目の記事に登場するシンディソ・クマロはサステナブルなブランドを称える「グリーン・カーペット・アワード」を受賞したデザイナーです。南アフリカ出身の黒人女性である彼女は、プリントデザインに問題意識を込め、テキスタイルの生産をアフリカの性産業で働く女性の自立支援に役立てています。

 クマロにとって、実はサステナビリティは“自分事化”できない問題だったといいます。「私が思うに、このトピックは主に欧米で環境問題について語られる一方通行的なものとなっている」。

 この記事、編集部の新入社員の女性に「訳さない?」と持ちかけたところ、彼女にも響いたようで「これは当事者目線のサステナビリティですね」と。そうか、この記事は当事者目線だから惹かれるのかも、と納得。

 厳密にいうと、クマロ自身はロンドンにも留学して自身のビジネスを営んでおり、貧困の当事者ではないと思うのですが、それでも彼女にとって「貧困」は心の底から解決したいと思う課題なのです。

 デトロイトを拠点とするトレイシー・リースにとってもサステナビリティは遠いものだったようです。「サステナビリティはエリート志向で、みんなが行いやすいものではないと感じることが多い」。そんな彼女は自身のコレクションの生産を地元の有色人種コミュニティーで行うことで雇用を生み出し、地元デトロイトを支援しています。自身も属する黒人の経済状況を改善したいという心からの思いが彼女の活動の原動力になっています。

 自分にとって解決したいサステナビリティの問題って何なのか。SDGsの17の目標には「働きがいも経済成長も」や「住み続けられるまちづくりを」という項目もあります。あなたの職場や仕事はサステナブルですか?住む環境はサステナブルですか?日本の過労死問題などは国際的に見ても悲惨とされていて、もしかしたら私たちの課題設定はそこにあるかもしれません。

 「なかなか自分事化できない」という人もいますが、ピンと来ないのはもしかしたらサステナビリティを狭義でしか捉えてないからかもしれません。今一度SDGsの「世界を変えるための17の目標」を見てみましょう。当事者意識を持って解決したい問題や興味ある分野があるんじゃないかなと思います。

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