ファッション

クリスチャン・ルブタンの大型展覧会がパリで開幕 ファンならずとも必見の展示

 シューズデザイナーのクリスチャン・ルブタン(Christian Louboutin)による大型展覧会「クリスチャン・ルブタン,レグジビション[ニステ](CHRISTIAN LOUBOUTIN, L'EXHIBITION [NISTE])」が、フランス・パリにある国立移民史博物館(Palais de la Porte Dorée)でスタートした(会期は7月26日まで)。パリ12区で生まれ育ったルブタンにとって身近にあった同館は、幼い頃から訪れていた思い入れのある場所。これまでアートや異文化から多大なインスピレーションを得てきた彼の作品にぴったりのロケーションだ。

 ルブタンの濃厚な世界へといざなうために計画された同展でフォーカスしているのは、約30年にわたる多面的なクリエイションと多彩なインスピレーション。パリ装飾美術館のディレクターを務めるオリヴィエ・ギャべ(Olivier Gabet)によるキュレーションの下、未発表の作品を含む膨大な数のシューズとともに、メゾン・デュ・ヴィトライユ(Maison du Vitrail)が手掛けたステンドグラスのパネルやセビーリャ製の銀のかごといった職人技を称える歴史的な芸術作品を展示する。さらに、映画監督で写真家のデヴィッド・リンチ(David Lynch)やニュージーランド人マルチメディアアーティストのリサ・レイハナ(Lisa Reihana)、イギリス人デザイナーデュオのウィテカー・マレム(Whitaker Malem)、スペイン人振付師のブランカ・リー(Blanca Li)、パキスタン人アーティストのイムラン・クレシ(Imran Qureshi)といった、ルブタンにとって大切なアーティストとのコラボレーション作品も並べる。

 テーマごとに分けられた11の部屋は、どれもかなり趣向を凝らしたつくりになっている。例えば、「ジ・アトリエ(THE ATELIER)」では、1足の靴ができるまでに要する約100の工程から主要なものをルブタン自身が登場するコミカルな映像とともに紹介。ブータンの学生たちによって彫られた装飾的な柱が印象的な「ブータニーズ・シアター(BHUTANESE THEATER)」では、ダンサーやアーティストのために作られたシューズを並べるほか、 “バーレスクの女王”ディタ・フォンティース(Dita von Teese)とサッカーのフリースタイラーであるイーヤ・トラオレ(Iya Traoré)のホログラム映像を上映する。一方、「ザ・ポップ・コリドー(THE POP CORRIDOR)」ではセレブリティーのために制作した靴やポップカルチャーから影響を受けて制作した靴などを飾り、16歳未満は入場禁止の「フェティッシュ(FETISH)」では、2007年に取り組んだデヴィッド・リンチとのコラボ作品をディスプレー。バレリーナがルルヴェ(つま先立ち)をした時のシルエットを用いたバレエシューズやスパイクがインソールから飛び出たサンダルなど“履くことを想定しない”芸術的なシューズと、それらを履いたモデルを捉えたリンチのフェティッシュな写真を並べる。

 そして、同展のラストを飾るのは、ルブタンにとっての「想像上のミュージアム」。そこには自身が制作したシューズは一切なく、自身が所有するコレクションから美術館や博物館から貸し出された作品まで彼のインスピレーション源がズラリと並ぶ。そのラインアップは、絵画や彫刻、工芸品、写真、陶器、服、ロジェ・ヴィヴィエとピエール・アルディが手掛けた靴と実に幅広く、そこからデザインのイメージをふくらませるルブタンの豊かなクリエイティビティーを感じられる空間だ。

JUN YABUNO:1986年大阪生まれ。ロンドン・カレッジ・オブ・ファッションを卒業後、「WWDジャパン」の編集記者として、ヨーロッパのファッション・ウィークの取材をはじめ、デザイナーズブランドやバッグ、インポーター、新人発掘などの分野を担当。2017年9月ベルリンに拠点を移し、フリーランスでファッションとライフスタイル関連の記事執筆や翻訳を手掛ける。「Yahoo!ニュース 個人」のオーサーも務める。20年2月からWWDジャパン欧州通信員

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