皆さん、こんにちは。日本から遠く離れたスイスの田舎町バーゼルは今、世界最大の時計見本市「バーゼル・ワールド」の真っ只中です。そこで今日からしばらく、「シャネル(CHANEL)」から「ロレックス(ROLEX)」「ダニエル ウェリントン(DANIEL WELLINGTON)」まで、あらゆるテイストや価格帯の時計が揃う、時計のお祭りについて、コラムを書いてみたいと思います。
ミケーレ&ランダーのタッグが放つ、「グッチ」の“みんなが欲しい”70年代ウオッチ
「WWDジャパン」と「WWD JAPAN.com」はファッションを中核とするメディアですから、バーゼルについてのコラム連載も、このブランドから始めてみましょう。ファッションの世界で今、1970年代のレトロテイストやロマンティックムードをけん引するトレンドセッター、「グッチ(GUCCI)」の時計です。
今年「グッチ」は、新クリエイティブ・ディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが監修した時計を、初めてフルラインアップで発表しました。ミケーレは、アクセサリー出身のデザイナー。時計についても興味津々で、自ら監修役を名乗りでたそうです。メゾンでは現在、ミケーレと3人のデザイナーがウオッチ&ジュエリーをデザインしています。
すでにランウエイではいくつかのコレクション・モデルを発表していますが、いよいよヴェールを脱いだ時計に、心を奪われました。
モチーフ使いがカワイイ!
“G-タイムレス オートマティック”は、20万円前後で9月発売予定
まずランウエイで発表したコレクション・モデルは、やっぱりモチーフ使いがカワイイこと!ウエアも同じですが、ミケーレはGGやウェブ(緑と赤、緑の3本線ストライプのことです)、それに自ら積極的に用いるビー(ハチ)のモチーフ使いが、時計でもとっても上手です。いやむしろ、時計は直径わずか4センチの小さな小さな世界ですから、わかりやすいモチーフがたくさんあったほうがいいのかも。その意味でミケーレの、メゾンのアイコニックなモチーフを上手に使う能力は、時計においてもいかんなく発揮されています。写真は、“G-タイムレス オートマティック”コレクション。既存の“G-タイムレス”も、ビーとハート、スターのモチーフと、まるで花のようなロゼットギョシエというダイヤル装飾が加わり、素敵に生まれ変わりました。
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“タッキー”デザインも登場
“ル マルシェ デ メルヴェイユ”は、12万5000円で7月発売
そして、僕たちが“タッキー”と呼ぶ、ちょっとした違和感を抱かせるダサめの色使いも健在です。“ル マルシェ デ メルヴェイユ”コレクションからは、ターコイズとマラカイト、それにコーラルの人工石を用いたユニーク時計が登場。こちらもビーのモチーフとGGの秒針、それにスタッズを思わせるベゼル(ダイヤルの外側の部分)など、ミケーレ・グッチのアイコニックなモチーフに溢れています。
70年代ムードのスポーティーで男らしい仕上がり
“GG2570”は10月発売で12万円前後
一方で、「前の『グッチ』も好きだったんだよなぁ」という男性や女性への配慮も忘れていません。“GG2570”は、ミケーレが大好きな1970年代のムードを漂わせつつも、スポーティーで男らしい仕上がり。ミケーレの世界と、これまでの「グッチ」ウオッチらしさが融合しています。ちなみに時計業界で言う「70年代ムード」とは、グラデーションダイヤルや太めのインデックスなど。ダイヤルには、グラデーションで「G」のアルファベットが描かれており、実はモチーフ使いも健在です。
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みんなが、何か1本は「ほしい!」と思えるウオッチ・コレクションづくり
この、「フリーダ・ジャンニーニ時代の顧客も裏切らないアプローチ」は、もしかすると、ウエアやアクセサリーより、時計のほうが優れているのかもしれません。ウエアやアクセサリーは、その変化がドラスティックで、ビジネスの再構築は正直これから。一方で時計は、ミケーレワールド全開の“ル マルシェ デ メルヴェイユ”から、昔の「グッチ」ファンも一安心の“GG2570”まで、今の「グッチ」ワールド全開の新商品とミケーレの世界観に寄せた定番で安定感を覚えます。これは、時計を統括すべく「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」からやってきた職人気質のトップ、ステファン・ランダー=グッチタイムピーシーズ最高経営責任者&プレジデントの力によるものでしょう。詳しくは4月発売の「WWDジャパン」で掲載しますが、ランダーCEOは、「ミケーレの世界と、これまでの顧客も安心感を覚える『グッチ』。2つの世界をどのように融合し、少しずつミケーレの世界に寄せていくかを考えている」と話してくれました。インタビューの当日、ランダーCEOは、ミケーレ「グッチ」の中ではコンサバな、ブラックスーツに身を包んでいました。彼のような人には、“GG2570”のような、これまでの世界観も踏襲した時計が、そして僕のようなファッショニスタ(自称)には、“ル マルシェ デ メルヴェイユ”のような、ミケーレの世界観の一本がピッタリなのでしょう。
時計の世界において「グッチ」は、ミケーレとランダーのタッグで、「みんなが、何か1本は『ほしい!』と思えるウオッチ・コレクションづくり」を進めているように感じました。ウエア&アクセサリーも大注目ですが、「グッチ」は時計も見逃せません。
個人的大本命は、コレ!プレキシガラスを使った、まるでバングルのようなウェブ柄の時計です。私物の「グッチ」ジュエリーと、勝手にコーディネイトしてみました(笑)