キム・ジョーンズ=「ルイ・ヴィトン」メンズアーティスティック・ディレクター Photo by Ralph Mecke
ルイ・ヴィトン ジャパンは8月26日~9月15日までの3週間、伊勢丹新宿店メンズ館1階(本館との連絡口に近いプロモーションスペース)にポップアップストアをオープンする。ポップアップでは、キム・ジョーンズ=メンズアーティスティック・ディレクターが英国人アーティストで親日家としても知られるクリストファー・ネメスにオマージュを捧げた2015-16年秋冬コレクションの中から、プレタやシューズ、革小物、時計などを販売する。
「ルイ・ヴィトン」2015-16年秋冬メンズ・コレクションから
キム・ジョーンズは、自身と同じロンドン出身のネメスの脱構築的なスタイルに強い影響を受け、現職に就任以来、彼をインスピレーション源とするコレクションを夢見続けていた。今シーズンのコレクションは、ネメスのアイコンだった縄目のモチーフをジャカードやフロッキープリント、コルクのカットアウトなど、さまざまなテクニックでウエアやアクセサリーにのせている。アイコンモチーフの“ダミエ”に四角形の縄目モチーフを描いたアクセサリーは、バリエーション豊かに取りそろえる。
大西洋・三越伊勢丹ホールディングス社長は、「『ルイ・ヴィトン』はいろいろなところに出店しており、ブランドイメージも、ショップ環境も独自。旧三越は店舗を構えているが、伊勢丹は浦和店を除き、基本的に導入してこなかった。しかし数年前から、1階・雑貨フロアの平場やポップアップストアでも新しい価値観は生み出せるのではないかと話しあいを続けてきた。今回、メンズ館でポップアップストアという形が実現することになった」と話す。同店に「ルイ・ヴィトン」の商品が並ぶのは、アーティストの草間彌生とコラボレーションしたコレクションを本館4階で販売した12年7月以来だ。
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キム・ジョーンズ=「ルイ・ヴィトン」メンズアーティスティック・ディレクター Photo by Ralph Mecke
“伊勢丹との取り組みは、親日家だったネメスも喜んでくれると思う”
015-16年秋冬シーズンでオマージュを捧げたクリストファー・ネメスとは、彼が亡くなる直前に会ったことがある。死後も奥さんや家族と交流を続け、ずっと「いつか『ルイ・ヴィトン』で、彼に捧げるコレクションを作りたい」と話してきた。ネメスは有名なデザイナーではなかったかもしれない。どちらかとアンダーグラウンドで、カルト的な人気を誇ったブランドだった。だからこそ、それを「ルイ・ヴィトン」のクラフツマンシップでよみがえらせるのが面白いと思ったんだ。僕の周りや、一部の人しか知らないネメスという存在を、世界的なブランドの力を借りることで広めるのは、とても挑戦的なプロジェクトだと思った。夢がかなうことになってからは、さらに家族とコミュニケーションを重ね、ネメスのアーカイブなどを見てきた。サヴィル・ローでもありパンクでもあるネメスのコレクションは独特で、他とは相いれないスタイルだと思う人も多いだろう。
「ルイ・ヴィトン」2015-16年秋冬メンズ・コレクションから
今回のコレクションは、彼の強い個性を、“モノグラム”や“ダミエ”など同じく確固たるアイデンティティーを持つ「ルイ・ヴィトン」とミックスする試みでもあった。強烈な個性が同居したコレクションは、ネメスの家族もとても喜んでくれた。彼らはネメス同様完璧主義者で、素材の選定から色、仕上げの加工までチェックしてくれた。ネメスと僕は、ともにロンドンで育った親日家という共通点を持っている。そして、マーケットは違ったかもしれないけれど「クリストファー ネメス」と「ルイ・ヴィトン」はともにアーティザナルなブランド。双方の共通点と相違点が混然一体となったと思う。
スタイリングにおいては、日本のストリート、特に原宿や裏原宿のスタイルに強い影響を受けた。機能的なブルゾンを羽織ってみたり、フォーマルなスタイルにマウンテンブーツを合わせてみたり。小さなバッグをいくつも持ったのも、東京の自由なスタイルに影響を受けたからなんだ。東京は、常に僕を刺激してくれる。さらに今回は僕同様に親日家だったネメスに捧げるコレクションだから、いつも以上に日本を意識したかもしれない。伊勢丹との取り組みを決めたのは、「ルイ・ヴィトン」はスペシャルなプロジェクトが大好きだから。晩年を日本で過ごしたネメスも、きっと日本を代表する百貨店との取り組みを喜んでくれたと思う。ポップアップストアは、空間作りにもこだわるつもり。僕の意見が反映された空間になるよ。
■「ルイ・ヴィトン」2015-16年秋冬メンズ・コレクション ▶︎