「循環を、日本から」。表紙にそう掲げた。けれど、これは「日本製を目指そう」という意味ではない。日本を起点に循環を始められるか。それを確かめる特集だ。(この記事は「WWDJAPAN」2026年9月28日号からの抜粋で、無料会員登録で最後まで読めます。会員でない方は下の「0円」のボタンを押してください)
「日本から」に込めた、二つの意味
服のサプライチェーンは長い。原料も生産も、いくつもの国境をまたぐ。それを無理に国内へ引き戻すことが循環ではない。海外で調達し、作った製品は、トレーサビリティを高めて、より信頼できる一着を目指せばいい。DPP(デジタル製品パスポート)が近づく今、その流れはむしろ加速している。
では、日本は循環のどこで起点になれるのかといえば「出口」だ。使い終えた服を、どう次へ回すか。ここでこそ、企業と行政と生活者の行動変容が効いてくるからだ。循環は、1社では作ることはできない。企業と行政と、服を手放す一人ひとりがつながって初めて回り出す。アンケート調査でも、回収の仕組みはこの一年で大きく進んだことが分かり、次の壁は、集めたものをどう活用するかに移っている。
大事なのは、これを「いいこと」で終わらせないことだ。使い終えた服の循環は、慈善ではない。リユースや新しい原料調達の手段である。そして国内で回収した繊維が、次の一着の資源になる。そう捉え直した瞬間、循環はコストから競争力に変わる。表紙の漁網リサイクルは、分かりやすい循環の一例であり、皆が漁網を使えるわけではない。だがその姿勢から学び、「使い終えたものを、次の原料として取りに行く」という発想は、どの企業にも開かれている。
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