ナイキ(NIKE)は9月16日、社外取締役として、LVMH モエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)のアレクサンドル・アルノー(Alexandre Arnault)LVMH ワイン&スピリッツ部門副最高経営責任者(CEO)を任命した。
LVMHを率いるアルノー会長兼CEOの次男
同氏はLVMHを率いるベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼CEOの次男で、1992年生まれの34歳。父と同じエリート養成機関であるグランゼコールのエコール ポリテクニーク(Ecole Polytechnique)と、工学系のグランゼコール、テレコム・パリ(Telecom Paris)で学んだ。大手コンサルティング会社マッキンゼー(McKINSEY & CO.)などでインターンを務めた後、2015年に投資マネージャーとしてLVMHに入社。17年には、LVMHの傘下となったリモワ(RIMOWA)の社長兼共同CEOに24歳で就任。その後、LVMHが買収したティファニー(TIFFANY & CO.)のプロダクトおよびコミュニケーション部門のエグゼクティブ・バイス・プレジデントに就任した。24年4月にLVMHの取締役会に加わり、25年2月から現職。ほか、カルフール(CARREFOUR)、ビルケンシュトック(BIRKENSTOCK)、モンクレール(MONCLER)の社外取締役だった経験があり、現在はニューヨーク近代美術館(Museum of Modern Art)の理事も務めている。
「取締役会にとって心強い新たな戦力」とナイキの会長
ナイキのマーク・パーカー(Mark Parker)=エグゼクティブ・チェアマンは、「変化し続ける複雑な市場環境の中、アレクサンドルはアイコニックなグローバルブランドを革新し、さらなる進化と成長をサポートするという評価を獲得している。彼は世界で最も敬意を集める複数のブランドでリーダーシップを発揮しており、当社の取締役会にとって心強い新たな戦力となるだろう」と語った。
エリオット・ヒル(Elliott Hill)=ナイキ社長兼CEOは、「アレクサンドルは、世界で最も影響力のあるブランドがいかにして時代の最先端であり続け、顧客との絆を深め、長期的な成長を持続するかについて深く理解している。彼のイノベーション、デジタル化、ブランド価値の構築に関する経験は、消費者とのつながりを強化し、競争力を磨き、さらなるグローバルな成長を目指す当社の次章にとって大きな資産になるものと確信している」と述べた。
アルノーLVMH ワイン&スピリッツ部門副CEOは、自身のインスタグラムに、「ナイキの取締役会に加わることができ、とても光栄に思っている。私は物心がついて以来『ナイキ』のファンであり、スポーツ、競争、イノベーション、クリエイティビティー、己の限界を日々更新し続けるといったブランドの価値観に昔から共感していた。『ナイキ』は何百キロにもわたって(私が走った全てのマラソンでも!)ともに在り続けてくれたので、その将来に貢献する機会をもらえたことは本当に特別なことだと感じている。職務を開始し、次章に貢献することを楽しみにしている」と投稿。“Just Do It”というブランドのスローガンで締めくくった。
業績や株価の低迷が続くナイキ
ナイキはここ数年、業績不振が続いている。26年5月期決算は、売上高が前期比0.2%増の463億9800万ドル(約7兆1916億円)、EBIT(利払前・税引前利益)は同1.9%増の38億5000万ドル(約5967億円)、純利益は同3.4%減の31億800万ドル(約4817億円)と精彩を欠いた。上半期の売り上げについても慎重な見方を示していることから、株価も低水準で推移。9月4日には、米国の代表的な株価指数であるS&P100の構成銘柄から外れることが明らかになった。同指数は米株式市場に上場する企業のうち時価総額上位100社の超大型優良銘柄で構成されており、企業価値が一定の水準を下回ると外れることとなる。同社は21日の取引開始前に同指数から除外されるが、上位500社で構成されるS&P500には留まる。