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設立6年で売上高26億円着地見込み 「HBL」で眉毛サロン市場を切り開いた福井仁美の挑戦

PROFILE: 福井仁美/JULIA IVY社長

PROFILE: (ふくい・ひとみ)1986年生まれ、愛知県出身。早稲田大学を卒業後、スポーツキャスターやモデル、リポーターとして活躍。2015年に起業し、翌年から美容サロンを開業。20年に「HBL」を展開するJULIA IVYを立ち上げた。 PHOTO:TAMEKI OSHIRO

2026年度の売上高は26億円を見込み、前年比約200%という成長を続けるジュリア アイビー(JULIA IVY)。同社が展開するアイブロウ技術「HBL(エイチビーエル)」の導入サロンは現在1万3000店を超え、日本のアイブロウサロン市場をけん引する存在となった。

「眉毛は自分で整えるもの」という認識が一般的だった日本で、なぜ今、眉毛サロンが定着しつつあるのか。海外発の技術を日本人向けに進化させ、「眉癖改善」という新たな価値を提案してきた福井仁美社長に、ブランド誕生の背景から市場拡大の理由、今後の展望までを聞いた。

海外の施術をヒントに、日本独自の“土台美容”へ

WWD:まず「HBL」について教えてください。

福井仁美社長(以下、福井社長):海外で「ブロウラミネーション」として普及していた眉毛の毛流れを整える施術を日本人の肌質・眉質に合わせてローカライズし、2020年に国内向けにスタートしたアイブロウ技術です。液剤も技術も全て安心安全な国産でゼロから開発しました。

ワックスなどを使用した従来の形を整えるケアとは異なり、毛の生える方向そのものを変える「眉癖改善技術」となります。分かりやすく例えると、髪の毛の縮毛矯正のようなものです。毎朝のアイブロウメイクが楽になり、自眉を生かした自然な印象をつくることができます。

WWD:現在は「ハリウッドブロウリフト」ではなく、「HBL(エイチビーエル)」という呼称が定着していますね。

福井社長:そうです。サービスをスタートした当初は、立体感のある眉がトレンドだったこともあり、「ハリウッドブロウリフト」=眉を立ち上げる技術というイメージが先行しました。

ただ、私たちが提供している本質は眉を立ち上げることではなく、毛流れを整えて眉の土台をつくる「眉癖改善」です。その価値をより正しく、現代のニーズに合わせて伝えるために「HBL」という名称に変更して、前面に打ち出すようになりました。

現在はナチュラルな仕上がりを提案していますが、技術の本質はスタート当初から変わっていません。

WWD:「眉癖改善」とは、具体的にどのようなアプローチなのでしょうか。

福井社長:日本人の眉悩みの多くは、骨格のせいではなく「毛の生えている方向がバラバラであること」に起因しています。横に生えて密集しているから濃く見えたり、下に向いて生えているから隙間ができているように見えたりする。

従来の眉毛の整え方は切る・剃ることで、足りない部分をメイクで描き足していました。でも、それではキャンバスを自ら削っているようなもので、毎日メイクが難しくなるのも当然です。

「HBL」は毛流れを整え、眉1本1本の方向を自在に動かせるようにすることで、自眉を最大限に生かした土台を作ります。私たちはこれを「土台美容」と呼んでいます。

WWD:従来のワックスを使用したアイブロウメニューとは異なるわけですね。

福井社長:はい。ワックスだけで形を作る場合、どうしても外側に「正解の形」を求めることになります。例えば、安室奈美恵さんの影響で1990年代にはやった細眉や、韓国メイクの影響ではやった平行眉などです。

しかし、今は「自分に似合うナチュラルな眉」が求められる時代。「正解の形」がないからこそ、多くの人が眉毛迷子になっていると思うんです。「HBL」は、その人が本来持っている眉毛を最大限に生かし、毎メイクを楽にするための手段なのです。

アメリカで「眉は第二の口」 日本で急増するメンズ需要

WWD:アメリカと日本では、眉への意識に違いがありますか。

福井社長:私は大きな違いがあると感じています。アメリカではアイブロウサロンの店舗数がネイルサロンを上回るほど身近な存在で、眉は感情や意思を伝える重要なパーツとして捉えられています。表情、特に眉を大きく動かしてコミュニケーションを取る文化があるため、眉を「第二の口」とも言われているそうです。

一方、日本では言葉で細かなニュアンスまで伝える文化が根付いています。例えば、「うれしい」という気持ちも、「感激」「感無量」などさまざまな言葉で表現できますよね。そうした背景もあって、これまでは表情、とりわけ眉への意識は欧米ほど高くなかったのではないかと感じています。

ただ、コロナ禍でマスク生活やオンライン会議が広がり、目元だけで第一印象を伝える場面が増えました。その変化をきっかけに、日本でも眉の重要性が見直され、市場の拡大につながったと考えています。

WWD:その変化は市場にも表れていますか?

福井社長:特に顕著なのがメンズ市場。現在、大手美容予約サイトのメンズ検索ワードランキングを見ると、アイブロウ関連のワードが上位を独占しています。男性はまつ毛メニューの需要が少ない分、眉への自己投資が進んでいます。

女性でもアイブロウメニューの検索数は伸び続けていて、アイブロウは一過性のトレンドではなく、新たな美容習慣になりつつあると感じています。

「眉毛」カテゴリーの確立とブロウアーティストの価値向上へ

WWD:順調に拡大を続けている中で、現在直面している課題はありますか。

福井社長:導入サロンが増えたことで、ブロウアーティスト(施術者)の技術力にムラが出てきている点です。眉毛は顔の印象を大きく変えるパーツだからこそ、仕上がりのクオリティー担保は急務です。今は全国を回って、カウンセリングの統一化やトレンドを取り入れた仕上がりの技術指導を徹底して行っている最中です。

WWD:今後の目標を教えてください。

福井社長:まず明確な目標として、美容予約サイトのカテゴリーに「眉毛」という独立したタブを作ることです。今はまだ「ネイル・まつげサロン」の中に含まれていますが、検索ボリュームを見ても、すでに独立した需要は確実に存在しています。20年時点でたった23件しかなかったアイブロウサロンが、独立したタブができるまでに成長すれば、眉毛のメンテナンスが日本のライフスタイルとして完全に定着したことの証明になります。

そしてもう一つは、「ブロウアーティスト」という職業の価値を高めることです。先ほどお話ししたように、お客さまの顔の額縁を作り、感情を伝える重要なパーツを整えて背中を押してあげられるこの仕事は、本来とても価値が高く、憧れられる職業であるべきです。

だからこそ、単に施術を行うだけではなく、「プロに任せる意味」を伝えられる人材を育てたい。ブロウアーティストが憧れられる職業となることで、美容業界全体をエンパワーメントしていきたいと考えています。

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