
資生堂の2026年1~6月期連結決算は、売上高が前年同期比6.2%増の4989億円、コア営業利益が同1.9倍の444億円だった。営業利益は同2.3倍の419億円、純利益は同3.1倍の296億円。「エリクシール(ELIXIR)」と「ナルシソ ロドリゲス(NARCISO RODRIGUEZ)」がけん引し、主要ブランドの販売動向が改善した。
日本事業の売上高は同0.8%減(実質0.4%減)の1447億円、コア営業利益は同7.2%増の209億円だった。インバウンド売り上げは、中国人旅行者の減少や市場の伸び鈍化が響き、同10%台半ば減少した。一方、国内客向け売り上げは同1ケタ台前半増だった。「エリクシール」と「アネッサ(ANESSA)」は2ケタ成長を維持した。
中国・トラベルリテール事業の売上高は同10%増(実質0.1%減)の1914億円、コア営業利益は同22.7%増の476億円だった。大型セール「618」では、ヒーロー商品に投資を集中する施策が奏功した。「クレ・ド・ポー ボーテ(CLE DE PEAU BEAUTE)」と「ナーズ(NARS)」が伸び、「アネッサ」は減収幅を縮めた。
米州事業の売上高は同6.0%増(実質0.9%減)の545億円、コア営業損益は20億円の黒字(前年同期は58億円の赤字)に転換した。販売チャネルの構成を見直し、地域や取引先の絞り込みを進めた。「ナーズ」は前年を下回った一方、「シセイドウ」は“バイタルパーフェクション”やサンケア商品が好調を維持した。
欧州事業の売上高は同12.4%増(実質1.2%減)の668億円、コア営業損益は33億円の赤字(前年同期は25億円の赤字)だった。「ナルシソ ロドリゲス」などのフレグランスが伸び、市場シェアの拡大が続いた。一方、スキンケアは厳しい競争環境が続いた。ECが成長をけん引し、店頭販売では拠点や店舗網の最適化を進めている。
ブランド別の売上高は、「シセイドウ」が同3%減、「クレ・ド・ポー ボーテ」が同2%増、「ナーズ」が同3%増、「エリクシール」が同7%増、フレグランス全体が同1%増だった。
通期業績予想は、売上高9900億円、コア営業利益690億円、純利益420億円を据え置いた。藤原憲太郎社長CEOは「上期の実績と足元の為替動向を踏まえ、通期目標の達成確度は高まっている」と説明した。
「構造改革を進める会社から、成長を実現する会社へ」
資生堂は、2025年11月に発表した「2030中期経営戦略」について、構造改革から成長と成果創出の段階に移行しつつあると説明した。26年中間期は成長モメンタムが回復し、利益も計画を上回った。藤原社長は「短期的な数字の改善だけではなく、資生堂が構造改革を進める会社から、成長を実現する会社へ変わり始めた」と強調した。
ブランド別では、「シセイドウ」の“アルティミューン”や“バイタルパーフェクション”などに経営資源を集中し、高付加価値化を進める。「ナーズ」は米州事業の成長を担うブランドと位置付け、ベースメイクに加えてアイ・チークカテゴリーを強化する。「エリクシール」については、「日本での勝ちパターンを世界に広げるフェーズに入っている」と述べた。
欧州を中心とするフレグランス事業では、新商品に投資を分散する従来の手法を改め、年1回の大型新商品に集中する。下期には「マックスマーラ(MAX MARA)」の新作フレグランスを投入する。
中国・トラベルリテールでは、短期的な市場シェアの追求から、ブランド価値と収益性を重視する成長モデルへの転換を進める。米州事業では、75億円の構造改革効果がほぼ計画通りに表れており、26年通期の黒字化に向けた改善が進んでいる。下期は重点ブランドと小売業者の組み合わせに投資を集中するとともに、アマゾンなどECでの販売を強化する。
組織面については、「最も重要なのは組織文化だ。“The Shiseido Way”を単なる理念ではなく、日々の意思決定の基準として活用し、変化に迅速に対応して挑戦し続ける企業文化へ変革する」と説明。「やめるべきことは勇気を持ってやめる。そこで生み出したリソースを成長領域への投資に振り向け、選択と集中を徹底する」と述べ、持続的な成長に向けた姿勢を示した。