「メゾン マルジェラ(MAISON MARGIELA)」は4月24日、メゾンのファッション ブティック先行で、ウルトラ・プレミアムと位置付ける新しいフレグランス・コレクションの“センツォリウム”を発売する。全6種(いずれも75mL)で、価格は6万2700円。既存の“レプリカ”(オードトワレとオードパルファンで、価格は100mLで約3万円)がプレタポルテの世界観と繋がるなら、“センツォリウム”(パルファン)は「メゾン マルジェラ」のオートクチュール“アーティザナル”に相当するラインと位置付ける。このため“センツォリウム”はまずファッション ブティックで先行販売し、洋服やバッグ&シューズを販売するスタッフが接客を担当。その後、ロレアルによるフレグランスのブティックやスタッフも販売に携わる予定だ。
オートクチュールの“アーティザナル”に相当するフレグランスの“センツォリウム”は、厳選した原材料を通じて、人間の複雑な感情を表現。「メゾン マルジェラ」の代名詞とも言える「解体と再構築」の手法に沿い、透明感を引き出す「蒸留」、深みを与える「濃縮」、そして新しい側面を付与する「加工」というプロセスを経て製品化している。6つの香りは、人間の一生をなぞらえながら「希望・怒り・驚嘆・覚悟・至福・狂気」という感情を表現。順番に「Blaze of Stillness(静寂の閃光)」「Silent Fury(静かなる怒り)」「Anguish and Awe(苦悩と歓喜)」「Tender Defiance(しなやかな勇気)」「Delight in Despair(儚い多幸感)」そして「Fit of Folly(忘我という衝動)」という、コンセプチュアルでありながら解釈の余白を残しつつ、「メゾン マルジェラ」らしい二面性や矛盾を表現したテーマから原材料を調合している。
またボトルは、ひび割れたデザインを施し、「メゾン マルジェラ」の4本ステッチも刻んだ。
ロレアルのサンドリン・グロスリエ(Sandrine Groslier)=リュクス フレグランス ブランド グローバル・プレジデントは、「“センツォリウム”は、人間の核にある、制御できない本質を解き明かす。オートクチュールの厳格なまでの精密さを原料に適用し、複雑で豊か、本能的な強さを持つ『深い感情の真実』を丹念に捉えた。この革新的なクラフツマンシップが、私たちのオート・パフューマリー(最高級の香水)への本格的な参入を象徴している」などとコメントしている。
以下、6つのチャプター、製品の概要を紹介する。
チャプター1:ブレーズ・オブ・スティルネス(Blaze of Stillness)
ストーリー:人生は「希望」から始まる。未来の可能性が大きく開かれている、光に満ちた輝かしい瞬間。無垢で純粋なエネルギーを宿し、未来への問いに恐れることなく答えを出す。未知の領域の淵に漂う静寂を貫く、鮮烈な閃光。
香りの構成:オレンジ ブロッサム、フィグ、スエード レザー
調香師:アントワーヌ・メゾンデュー(Antoine Maisondieu)
チャプター2:サイレント・フューリー(Silent Fury)
ストーリー:これまで描いていた無垢な希望が打ち砕かれ、社会や既存のルールという壁に初めてぶつかる「怒り」を表現。周囲から「冷静」や「成熟」を求められながら、肌の下では自分を貫くための情熱が激しく燃え盛る。自らの正義を試される瞬間の燻る憤りを表現した、静かなる怒り。
香りの構成:タバコ アコード、スパイス アコード、パチョリ エッセンス
調香師:タンギー・ゲネ(Tanguy Guesnet)
チャプター3:アングイッシュ・アンド・オー(Anguish and Awe)
ストーリー:守られていた場所を離れ、本当の意味で自らの足で歩み訪れる「驚嘆」の瞬間。目に映る全てが美しく、同時に身をすくませるほどに恐ろしく感じられる。苦悩と歓喜が分かちがたく溶け合い、人生が書き換えられていく激動を表現。
香りの構成:ゼラニウム ハート、ローズ ハート アブソリュート、レザー アコード
調香師:デルフィーヌ・ルボー(Delphine Lebeau)
チャプター4:テンダー・デフィアンス(Tender Defiance)
ストーリー:積み上げてきた過去に疑問を抱き、「本当の自分」を問い直す瞬間。自分の脆弱さを認め、自らの意志で新しい道を歩み出す。過去を手放し、自由が流れ込む余白を作る大胆な「覚悟」。穏やかでありながら決して揺るがない、しなやかな勇気を表現。
香りの構成:リコリス アコード、イノセンス ノート、ファー バルサム
調香師:ドミニク・ロピオン(Dominique Ropion)
チャプター5:ディライト・イン・デスペア(Delight in Despair)
ストーリー:現実を突き破った際に訪れる、「至福」の瞬間。深い愛や成功を享受しながらも、心の中では「この瞬間は永遠ではない」ことを静かに予感する。限りある時間と自覚するからこそ、今この瞬間を全身で感じ尽くす。甘美な喜びの中に、去りゆくものへの慈しみが溶け合う、儚さに宿る多幸感を表現。
香りの構成:サフラン クリーム アコード、ムスク アコード、ウード ウッド アコード
調香師:ニスリン・グリリエ(Nisrine Grillie)
チャプター6:フィット・オブ・フォリー(Fit of Folly)
ストーリー:人生という物語を「書く」ことをやめ、ただ「生き切る」という、真実の解放の瞬間。「すべてを制御する」という執着を完全に捨て去り、不条理や偶然さえも笑って受け入れる。理性を振り払い、心地よい目眩の中で、自らの中に眠る「狂気の火花」に酔いしれる。全てを手放した衝動から放たれる、「忘我の境地」を表現。
香りの構成:パチョリ エッセンス、アンバリー ウッド アコード、ミネラル ムスク アコード
調香師:スージー・ル・ハレー(Suzy Le Helley)とフィリップ・パパレラ(Philippe Paparella)