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士郎正宗の初の大規模展覧会「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」の見どころは? 

世田谷文学館は開館30周年記念として、漫画家・イラストレーターの士郎正宗の初の大規模展覧会「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」を8月17日まで開催中だ。

同展では、士郎正宗の代表作「攻殻機動隊」をはじめ、「アップルシード」「ブラックマジック」「ドミニオン」「仙術超攻殻オリオン」など、多岐にわたる作品群の原画300点以上に加え、愛用の品や蔵書など、約440点が11の区画にわかれて展示されている。

熱狂的な人気を誇る士郎正宗は、1985年にSF漫画「アップルシード」でメジャーデビュー、1989年に「攻殻機動隊」の連載を開始。当時はまだ世に浸透していなかった先端技術を独自の感覚で取り入れた、情報化社会の現代を予見しているかのような世界観は、多くのクリエイターにも影響を与えた。細部まで描きこまれた絵、膨大な情報で組まれたプロット、欄外にまで及ぶ作家の言葉は必見。

同展のグラフィックデザインは坂脇慶、飛鷹宏明が、空間構成にはトラフ建築設計事務所が担当。展示会場や物販に至るまでこだわりが詰まった展示の詳細をお伝えする。ぜひ、実際に展示に行って、その熱量を体感してほしい。

展示会場入り口

世田谷文学館の2階で「士郎正宗の世界展〜『攻殻機動隊』と創造の軌跡〜」の展示が行われている。展示の各所には士郎正宗のコメントも掲示されている。ユーモアあふれるコメントは必読。

士郎正宗の創造の軌跡

展示会場に入ると最初に目にするのが士郎正宗の年表だ。どの時期に、どんな作品を発表しているのかが一目で分かるうえに、士郎のコメントも。

士郎正宗の描き方

「士郎正宗の描き方」の区画では、漫画を描く過程を細かく紹介するほか、愛用の道具や影響を受けた本を展示しており、科学雑誌に加えて、「HEAVY METAL」なども挙げられている。

アップルシード

「アップルシード」の区画では、1985年に発表されたSF漫画「アップルシード」の原画を展示している。同作は、第五次大戦後、廃墟となった街で生きていたSWATのデュナンと全身サイボーグのブリアレオスの姿を描くSFアクション。

ドミニオン

1986年に刊行された「警察戦車隊」所属のレオナと愛機の小型戦車・ボナパルトの、悪党・武悪一味との戦いをコミカルに描く「ドミニオン」。

攻殻機動隊

1989年に連載がスタートした士郎正宗の代表作「攻殻機動隊」。同作では、首相直轄の攻性組織「公安9課」の戦いを描く。会場内では多くのモノクロ、カラー原画を見ることができる。原画の欄外にまで細かいコメントが書かれており、そのこだわりをぜひ体感してほしい。

仙術超攻殻オリオン

1990年から91年にかけて発表された超古代の魔術師たちと召喚された神々が「仙術九頭龍」をめぐって争うファンタジー作品「仙術超攻殻オリオン」。

フチコマ

「攻殻機動隊」に登場する小型ロボット「フチコマ」の区画も。

士郎正宗のイラストワーク

士郎正宗のイラストを集めた区画。デジタルの作品も多い。

コラボレーション

今回のコラボレーション企画では、漫画・アニメ・現代アートの各分野からアーティストが参加する。「カードキャプターさくら」などを手掛けた創作集団「CLAMP」、代表作「BLAME!」で知られる漫画家の弐瓶勉、「天上天下」、「エア・ギア」で知られる漫画家・大暮維人、テレビゲーム「攻殻機動隊 GHOST IN THE SHELL」を手掛けたアニメーション監督・北久保弘之、映画「キル・ビル」のアニメパートの演出で国際的に評価を受けたアニメーション監督・中澤一登、ロシア出身のイラストレーター・イリヤ・クブシノブ、グラフィックデザイナーの河村康輔、イラストレーターの長場雄、写真家・小浪次郎、といったアーティストとのコラボレーション作品を制作した。

物販エリア

1階の物販エリアでは多くのオリジナルのグッズのほか、「ギークス ルール(GEEKSRULE)」や「ベアブリック(BE@RBRICK)」、「メクリ(MEQRI)」、「ブレインデッド(BRAIN DEAD)」、「マックスファクトリー(MAXFACTORY)」、「ガート(GAAAT)」といったブランドとのコラボグッズも販売している。

PHOTOS:YOHEI KICHIRAKU

■「士郎正宗の世界展~『攻殻機動隊』と創造の軌跡~」

会期:4月12日~8月17日
休館日:月曜日 ※祝日の場合は開館し、翌平日休館
会場:世田谷文学館
住所:東京都世田谷区南烏山1-10-10
チケット料金:一般1500円、65歳以上・大学・高校生900円、小・中学生450円。特典グッズ付きチケットは4000円で、展覧会オリジナルスペシャルトートバッグが付き。
主催:公益財団法人せたがや文化財団世田谷文学館、講談社、パルコ  
企画協力:青心社
特別協力:士郎正宗
グラフィックデザイン:坂脇慶、飛鷹宏明
空間構成:トラフ建築設計事務所
https://www.shirow-masamune-ex.jp

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