1. “欲しいものは画像で調べる”が当たり前? AIが変える検索の未来

“欲しいものは画像で調べる”が当たり前? AIが変える検索の未来

アプリ・ウェブサイト インタビュー

2017/9/9 (SAT) 09:00

 サイジニアが2月にローンチした画像認識アプリ「パシャリィ(PASHALY)」が機能を大幅に刷新した。シンプルな画像認識のみだったアプリに性別・カテゴリー別のフィルタリングやお気に入り機能、画像切り取りツール、シェア機能といったユーザーの声を反映した機能を多く追加した。「パシャリィ」は、ユーザーが「欲しい」と思った洋服を写真に撮るだけで、類似した商品を提案してくれる人工知能(AI)レコメンドアプリ。「マガシーク」「ショップリスト」「ヤフーショッピング」など8サイトと提携し、購入可能な1000万点以上の商品を提案する。画像検索からECサイトへ送客することで収入を得るビジネスモデルだ。ダウンロード数はすでに10万を超えたといい、現在はファッションに加えて家電やおもちゃも認識もできる。同アプリを開発した工学博士でもある吉井伸一郎・社長(以下、吉井社長)に、AI画像認識サービスについて聞いた。

WWDジャパン(以下、WWD):ローンチ後の反響はどうか?

吉井社長:ECサイトの広告などがコンバージョンレイト1%以下といわれる時代に、検索から購入にいたる率はその10倍以上と好調だ。ただ、AIという言葉だけが先行し、一般的には遠い未来の話だと思っている人が多い中で、服の検索に使用するという分かりやすさのためか、思った以上の反響があった。画像検索という体験に馴染みがないという意見も多く、周知をしていきたいと考えている。

WWD:AI画像認識アプリは少しずつ増えてきたように感じるが?

吉井社長:実は、画像を読み込んで検索するというアプリの動作自体で特許を取得している。決められた画像に対するAI提案はよくあるが、ユーザーが何を送ってくるかわからない中で、それにきちんと答えられる「パシャリィ」のAI技術は他にはないものだと自負している。

WWD:なぜ画像検索に注力するのか?

吉井社長:インスタグラムを中心とした画像文化が普及したことで、世界では圧倒的に画像データが増加している。例えば、SNSでみつけたステーキの画像をもとに、その日に行きたいレストランを決めるような行動パターンも出てきた。グーグルで情報を調べるという動作が当たり前になって来た。グーグルが文字検索の市場を寡占したように、次は画像検索の時代が来る。われわれは画像検索エンジンのグーグルを目指している。究極の目標はこの分野で世界を制することだ。

WWD:認識精度のはどれくらいのものか?

吉井社長:ユーザーが撮影した写真と同じものが出ないこともあるが、あくまで、今買える範囲で似ているものを表示させることがアプリの目的だ。実際、素材を見てブランドを答えるのはプロでも難しい。むしろ、ファッションはトレンド性が高いので、販売が終了してしまったアイテムは表示しないようにしている。今売っているのに、探しているものが出てこないということがユーザーにとっては一番不親切。これを避けるために、今は画像一致の精度よりも、データベースを蓄積させる時期だと考えている。

WWD:グーグルを目指すなら、撮影した画像のブランドや商品を正確に言い当てることも必要では?

吉井社長:ブランドサイトとのつなぎ合わせが必要だが、これが意外と難しい。というのも、ECサイトにあるモデルカットやアザーカット、キャプションなどの情報が必要でも、アパレル企業自体はデータを持っていないことも多い。特に高単価の商品を扱うサイトは取り扱う商材の割に在庫数が少なかったりするので、システムをつなぎ合わせる工数が見合わず、まだ手をつけられていない分野でもある。今後はささげ専門の業者などとの連携も視野にデータベースの蓄積を進めたい。

WWD:画像認識はファッション分野以外にも活用できるのか?

吉井社長:ファッション企業でなくても、ネット上の商品情報があればなんでもつなぐことはできる。初めての画像検索アプリをファッション分野に特化させた理由は、嗜好性が高くビジュアルの重要性が高い分野だから。技術的にはグルメや不動産に検索範囲を広げることもできるし、画像検索というサービス自体拡充していきたいと考えている。

WWD:これまではなぜ、画像検索という分野が盛り上がらなかったのか?

吉井社長:昔の画像認識技術では、例えば「耳が三角で目があって、その下に口があるのは犬だよ」といったように、認識対象を特徴付ける“特徴量”をエンジニアが教えなければいけなかった。しかし、ディープ・ラーニングの進化とネット情報の急増によって、AIが膨大なネット上のデータを取り込んで、自ら“特徴量”を見つけられるようになった。ディープ・ラーニングの存在が画像検索の突破口になったことは間違いない。

WWD:中長期的な目標はあるか?

吉井社長:いくら技術があっても、世の中へのアプローチとして、具体的なサービスを提示しなければいけないと考えている。「パシャリィ」のようなサービスは画像検索という分野の一事例でしかない。今後は「パシャリィ」についてもアプリではない別の形を発表したいと考えている。

WWD:吉井社長が目指すAI画像認識のゴールとは?

吉井社長:AIは人間とは異なる知覚方法を持つ。しかし、それはあくまでも人間の知覚方法が正しいのではなく、それぞれのセンシングデバイスによって世界の見え方が違うだけ。例えば、“スカートらしさ”は人間でもわかるが、AIは“ゴッホらしさ”を自ら見つけてゴッホらしい絵を描くことだってできる。そうやって人が見つけられない範囲の最大級の理解力を備えたデータベースこそが目指す場所。全てを兼ね備えた人工知能と人間をつなぐことがゴールだと思う。

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