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モナコ王室御用達ジュエラー「レポシ」4代目が語る「ジュエリーとサステナビリティ」

 モナコ王室御用達ジュエラー「レポシ(REPOSSI)」のアーティスティック クリエイティブディレクターであるガイア・レポシ(Gaia Repossi)が来日した。同ブランドは1920年にイタリアのトリノで創業。ガイアは創業者のひ孫になる。77年にモナコ・モンテカルロに旗艦店をオープンし、94年にモナコ王室御用達のジュエラーになった。2015年にはLVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESY LOUIS VUITTON)とパートナーシップを結び、グローバル展開を加速し、18年に同グループ傘下に入った。今年8月には伊勢丹新宿本店4階にショップをオープン。来日したガイア・レポシにブランドやクリエイションについて聞いた。

WWD:「レポシ」はイタリア・トリノ発のジュエラーだが、モナコ発の印象が強い理由は?

ガイア・レポシ(以下、レポシ):レポシ家はカーラ・ブルーニ(Carla Bruni)のテデスキ (Tedeschi) 家やフィアット(FIAT)を所有するアニエッリ(Agnelli)家と同様、トリノが本拠地でブランドは私の祖父がトリノで1920年にアトリエを開設したのが始まり。その後、トリノに出店したけど、77年にモナコ・モンテカルロに、86年にフランス・パリに出店したからモンテカルとパリで育った。だから、モンテカルロにはとても愛着があるし、私たち一族はモナコの王室ともとても深い関係がある。

WWD:伊勢丹新宿本店にショップがオープンし、日本でも本格的な展開が始まった。日本市場に期待することは?

レポシ:日本市場はとても成熟していて、エレガントで洗練されている。日本の生活様式やデザインなどに見られる審美眼は私のデザインに共通するところがある。日本のイメージはモダンで革新的。消費者は教養があり文化的なことにも関心が高いので、私のシンプルで革新的なデザインを楽しんでもらえると思う。

WWD:「レポシ」が他のジュエラーと違う点は?

レポシ:洗練度の高さと美的な強いメッセージがある。未来のジュエリーを打ち出している点。多くのブランドは表面的すぎる。

WWD:「レポシ」のブランド哲学は?

レポシ:嘘がないこと。未来のジュエリーを正確に、直接的に作品で表現している。サステナビリティという繊細な価値も必要になってきているし、今はメディアやブランドが多いので強いメッセージの発信が必須だと思う。

WWD:ジュエリーをデザインする際のインスピレーション源は?

レポシ:あらゆることからインスピレーションを得ている。写真や絵画などのビジュアルアーツから常にインスパイアされるし、小さなオブジェのこともある。それ以外でも女性だったり、ストリートだったり、日本だったり。素材を集めて、それから言語を組み立てるようなもの。難しいのは、それを技術的に可能にすること。新しいサンプルを見るときが一番ワクワクする。

WWD:ファッションとジュエリーの関係についてどう思うか?

レポシ:ジュエリーはファッショナブルであるべき。そして、未来を見る目に応えるべきもの。そして、決して安っぽくてはならない。最近ではサステナブルかどうかという問いが多い。ジュエリーはコスチュームジュエリーと比べると確実に長持ちする。ジュエラーは生態学者にならなきゃ。鉱物を枯らさないためにも鉱山をやたら掘り返すのはよくない。サステナビリティは新しいトピックで、動物や環境などさまざまな項目があるけど、LVMHが解決策を練っているはずよ。サステナビリティに関する期待は高いけど、必ず犠牲は伴うもの。

WWD:競合ブランドは?

レポシ:ないわ。「レポシ」はものすごくユニークなブランド。クラシックなジュエラーとは違うわ。

WWD:生産はどこで行っているか?

レポシ:100%ヨーロッパで生産している。80%は今でもイタリアで生産しているし、その中には祖父が作ったアトリエもある。イタリアの職人はゴールドの加工が得意だから。一方でハイジュエリーは全てフランスの職人が手仕事で仕上げる。彼らはまるで彫刻家のよう。私は考古学を学んだから、フランスの職人が持つ文化的財産を守るべきだと思う。私の使命は、歴史を保ちつつ常に未来を見ること。