ファッション

1日では見きれない? 「ヨコハマトリエンナーレ2017」でふれたアートの数々

 8月4日にアート展「ヨコハマトリエンナーレ2017」が開幕した。“島と星座とガラパゴス”というタイトルのもと、“接続性”と“孤立”をテーマにした。計38組の参加アーティストと1プロジェクトのアートのうち、特に印象的な作品を紹介したい。横浜美術館の他、横浜赤レンガ倉庫と横浜開港記念会館に拡大している会場でさまざまなアートにふれてみた。

会場のいたるところにアートを展示

 「ヨコハマトリエンナーレ2017」は、横浜美術館に入る前から始まっている。敷地に入ると、美術館の外壁や柱に何やら鮮やかな物体が張り付いているのが目に入る。近づいてみると、それは救命ボートと救命胴衣。中国人アーティストのアイ・ウェイウェイ(Ai Weiwei)の作品「安全な通行」だ。2015年、彼は欧州に拠点を移し、難民問題に取り組んでいる。同作は、彼のそうした問題意識を反映したインスタレーションだ。

来場者を出迎える壮大な“竹”アート

 横浜美術館に足を踏み入れると、さっそく大迫力の作品「善と悪の境界はひどく縮れている」が待ち受けている。ジョコ・アヴィアント(Joko Avianto)は、母国のインドネシアの家屋や日用品の素材として親しまれてきた竹を編み上げる作品を制作している。同作では、日本古来のしめ縄をモチーフにダイナミックな表現を試みた。そのスケールに驚くと同時に、竹の持つ色合いやしなやかさに安心感を抱いた。

アートが対話を導き、対話がアートの意味を紡ぎ出す

 さまざまなアート作品の中、たくさんのテキストを展示しひときわ知的な空気感を漂わせるスペースがある。「ヨコハマラウンジ」では構想会議メンバーの発言に触れることで本展のコンセプトを深く理解するヒントを得ることができる。例えば、構想会議メンバーのスプツニ子!は、インターネットの検索機能「Google Suggest」に着目し、検索ボックスに国や地域の名前を入力した際に表示される意外なキーワードをピックアップした。検索で表示された言葉は、人間が生きる世界の本音や偏見、欲望を反映していると彼女は考える。

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