オンワードホールディングス(HD)傘下のオーダースーツブランド「カシヤマ(KASHIYAMA)」が、初の売上高100億円超えを射程に捉えた。運営するオンワードパーソナルスタイルの2026年3〜8月期業績は、売上高が前年同期比42.5%増の54億円、営業利益が2億4300万円(前年同期は2100万円)と急成長。通期計画は売上高113億円(前期比36.5%増)を見込み、折り返し地点の視界は良好だが、オンワードHDの保元道宣社長はすでにその先を見据えている。
2017年にスタートした「カシヤマ」は、3万3000円から注文でき、約1週間で手元に届く「値ごろでスピーディー」なオーダースーツが武器だ。スーツ離れが叫ばれるなか、若者や就活生などこれまでオーダーに縁のなかった層を開拓。都心の直営旗艦店に加え、郊外・地方のショッピングセンター(SC)へ出店を広げ、店舗数は70以上に達する。
SC新規出店&初のアウトレット展開も奏功
3〜8月期は新規出店が業績を押し上げた。3月に立川、4月に豊洲のSCへ出店し順調なスタートを切ったほか、今夏からは佐野プレミアム・アウトレット(栃木)などへの試験出店を開始。こちらも堅調に推移している。
商品面ではスーツ以外の売れ筋も拡大中だ。生産体制の強化により、従来スーツの2〜3倍かかっていたオーダーシャツの納期をスーツと同等に縮小。セット購入を促したことでシャツの売上高は前年同期比2倍に跳ね上がった。さらに、カットソーやブラウスなどの既製品も投入し、今後はコートやニットも展開を予定。品ぞろえの拡充に伴い、店舗の大型化も進める。
高価格帯「カシヤマ プレミアム」で
エグゼクティブ層を開拓
強みとしてきた値ごろ感も、価格帯を広げることで単価アップを狙う。今春、オンワード樫山の百貨店向けオーダースーツ事業を引き継ぎ「カシヤマ プレミアム(KASHIYAMA PREMIUM)」を開始した。「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」など高級インポート生地を国内縫製し、最短12日で届ける。価格は8万8000円からで、客単価は従来の約3倍だ。50〜60代のエグゼクティブ層など、新たな客層の獲得を狙う。
増床&出店加速で「3年後に売り上げ3倍」へ
保元社長は「損益分岐点を突破し、今後の売上増は利益に直結する。グループの利益成長をけん引する事業になる」と手応えを示す。今期の100億円超えにとどまらず、「3年後(30年2月期)に3倍規模(約300億円)」という目標を掲げ、既存店の増床と店舗数の「倍増」を軸に成長を加速させる構えだ。