ファッション

「シャネル」が新作ハイジュエリーを京都で発表 ヴァンドーム広場と京都の漆職人のサヴォアフェールの共鳴は必見

シャネル(CHANEL)」は6月2日、京都国立博物館で新作ハイジュエリーコレクション“リーチ フォー ザ スターズ(輝く星をその手に、という意味)”を発表した。コレクションの着想源は、1930年代にハリウッドに活躍の場を広げ、当時の映画スターの衣装制作を手掛けたガブリエル・シャネル(Gabrielle Chanel)。彼女の言葉に、「翼を持たずに生まれてきたとしても、自分の翼が育つを妨げてはならない」というものがある。それに共感した「シャネル」ファインジュエリー部門のクリエイションスタジオ 前ディレクターのパトリス・ルゲロー(Patrice Leguereau)は、メゾンのアイコニックなモチーフ“コメット”や“ライオン”に加え、“翼”をモチーフにしたコレクションをデザインした。

美しいカラーのジェムストーンを使用して、日没前の“ゴールデンアワー”と呼ばれる短い時間に空が見せる美しいカラーグラデーションを表現している。パパラチアサファイヤや非常に希少性の高いダイヤモンドなどを使用しているため、1点ものも多く、億越えの傑作ぞろいだ。新作全110点のうち、約90点をこのグローバルイベントで展示。2年以上かけて企画されたこのイベントのために、世界中から京都にVIP顧客が訪れる。

親日家だった故ディレクターの精神を体現するイベントに

このコレクションは、ファインジュエリー部門のクリエイションスタジオを長年率いたルゲローの遺作になる。そのグローバルイベントに「シャネル」が選んだのは、彼が毎年訪れた京都だ。

昨年11月に急逝したルゲローは、京都の漆職人とヴァンドーム広場の宝石職人に共通点を見出し、約10年にわたり京都を訪れて漆職人と協業してきた。それら漆を用いた翼のモチーフのジュエリーも展示されている。長年に渡り職人と協業してきたルゲローは、自身のために漆蒔絵の万年筆の制作を依頼したという。イベント会場の一つである大徳寺黄梅院には、彼が英知と敬意、伝導を象徴する花として愛したアヤメを描いた万年筆を展示。新作ハイジュエリーおよび万年筆の完成を見ることなく亡くなったルゲローのクリエイションへの情熱とクラフツマンシップへの敬意を感じるエモーショナルなイベントになった。

イベントで来日したフレデリック・グランジェ(Frederic Grangie)=シャネル パリ 時計・宝飾部門社長は、「『死は終わりでなく始まり』という言葉があるが、パトリスの精神はこれら新作ジュエリーをはじめ、彼がクリエイションした全てのものを通して輝き続ける。ここ、京都のイベントで彼は、われわれと共にある」と述べている。

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