ビューティ

米アマゾン、ビューティ領域で存在感 月間1億人超が利用する巨大市場の次の一手

米アマゾン(AMAZON)がビューティ市場で存在感をさらに強めている。米国内だけで月間1億人超がビューティカテゴリーで買い物をしており、その影響力は拡大の一途をたどる。米「WWD」が毎年開催している「ビューティCEOサミット」に、アマゾンのメリス・デル・レイ(Melis del Rey)=ヘルス&ビューティ担当ゼネラルマネージャーが登壇。同社の構想について語った。

美容と健康を包括する
ショッピング体験を構築

デル・レイ=ゼネラルマネージャーは、「アマゾンが目指すのは、革新的かつアクセシブルな“ヘルス・デスティネーション”の実現だ。ビューティ領域とヘルスケア領域を包括的に捉えたショッピング体験の構築が進んでいる」という。その一例として、新しいスキンケアプログラム「スキンケア プラス(Skin Care Plus)」を挙げた。同プログラムは皮膚科医が推奨するスキンケア商品を迅速に、かつ必要に応じて処方や医療につなげられる設計になっているという。「『スキンケア プラス』は信頼できるワンストップ・ショッピングの場であり、今後さらに拡張していく予定だ」。

アマゾンはスキンケアだけでなくウェルネス分野にも本格的に参入する考えだ。食品やサプリメント、睡眠、フィットネス、ホルモンケアまで、扱うカテゴリーは多岐にわたる。「特に更年期は商品だけでなくショッピング体験そのものにおいても大きなイノベーションの可能性を秘めている。買う側の障壁をいかに取り除き、より包括的なショッピング体験をいかに提供できるかが重要だ」と語った。

アマゾン ビューティの強みは
「スピード」と「発見」

ビューティ市場においてアマゾンが差別化されるポイントについてデル・レイ=ゼネラルマネージャーは、「幅広い品揃えと、消費者に商品が届くまでの圧倒的なスピードが重要な成長エンジンになっている」と説明する。「われわれは顧客やブランドパートナーと関わる時、ショッピング体験を革新し、発見をもたらすようにしている。ブランドを起点に顧客体験を組み立てることで、的確に消費者の心をつかめる」と自信を見せる。

AIによるショッピング体験最適化 
消費者の価値観に変化も

アマゾンはAI投資にも注力する。その考え方は「大胆かつ大規模」だという。その一例が、生成AI搭載の対話型ショッピングアシスタント「ルーファス(Rufus)」だ。約1年前にスタートしたこの機能は、ビューティトレンドの紹介、商品のレコメンドや使い方のナビゲートまで対応する。また、新商品を見つけやすくするAIベースのショッピングガイドも展開している。

デル・レイ=ゼネラルマネージャーは、「現在の市場環境では、ブランドパートナーをサポートしながら日々新たな学びを得ている状況だ。消費者が価値に敏感な時代だからこそ、価格と得られる利点のバランスを見つけてどのように提供するかが問われている」とまとめた。

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