ファッション

“ネイキッド”ドレス生みの親、ボブ・マッキーが新ドレスコードに賛同 「第78回カンヌ国際映画祭」

「第78回カンヌ国際映画祭(Cannes Film Festival)」が24日(現地時間)まで開催中だ。今年、同映画祭の運営組織は、ヌードや極端にボリュームのある衣装、長いトレーンを禁止するという新しいドレスコードを発表していた。

“ネイキッド”ドレスのトレンドを生み出したとされるデザイナーのボブ・マッキー(Bob Mackie)は、物議を醸しているこの新ルールについて、「私は『カンヌ国際映画祭』に賛同する。なぜなら、“ネイキッド”ドレスのトレンドは制御不能状態になっているからだ。われわれが最近目にするものは、もう完全に裸だ」と米「WWD」に対しコメントした。

 

マッキーは、著名人が着用するシアーでシースルーなドレスを最初に作ったデザイナーの1人で、歌手のシェール(Cher)が1947年の「メットガラ」で披露したビーズとフェザーをあしらったドレスを制作した。彼の大胆なデザインは、数十年に渡って多くのセレブリティーやスタイリストにインスピレーションを与えており、2024年にはドキュメンタリー映画「ボブ・マッキー:ネイキッド・イリュージョン」が公開された。

マッキーは、「私のドキュメンタリー、『ボブ・マッキー:ネイキッド・イリュージョン』では、ヌードのように見えるというイリュージョンを作り出すドレスの本質を探っている。悲しいことに、そのコンセプトは失われてしまっている」と話した。

“ネイキッド”ドレスは過去20年間、ランウエイやレッドカーペットに再び台頭してきおり、多くのセレブがその限界を超えるルックに挑戦している。2014年の「CFDA アワード」では、リアーナ(Rihanna)が、「アダム セルマン(ADAM SELMAN)」によるクリスタルを施したドレスを着用。また近年は、フローレンス・ピュー(Florence Pugh)やマディソン・ビアー(Madison Beer)、エマ・コリン(Emma Corin)らもトレンドにならった大胆な装いを披露している。昨年の「カンヌ国際映画祭」には、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)が「サンローラン(SAINT LAURENT)」のシアードレスで登場し、話題を呼んだ。

 

新ルールは独裁的?

オリヴィア・ワイルド(Olivia Wilde)やアンナ・サワイ(Anna Sawai)、ガル・ガドット(Gal Gadot)らのスタイリングを手掛けるカーラ・ウェルチ(Karla Welch)は、今年の「カンヌ」の決定を「退屈で家父長制的でダサい」と自身のインスタグラムで非難した。

ファッション歴史学者のナンシー・デイル(Nancy Deihl)=ニューヨーク大学美術学科長は米「WWD」に対し、新しいドレスコードはやりすぎな衣装を抑え、優雅さを強調するための努力と見ることができるとし、「『カンヌ』運営組織は、たとえ多少独裁的な判断と見なされたとしても、セレブばかりに注目が集まる他のイベントとは一線を画すことに重きを置いているのだと感じる」と話した。

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