ファッション

「ルイ・ヴィトン」の親会社、22年上半期は28%増収 傘下ブランドは3〜7%の値上げ

 LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン(LVMH MOET HENNESSY LOUIS VUITTON以下、LVMH)の2022年1~6月期決算は、売上高が前年同期比28.1%増の367億2900万ユーロ(約4兆9584億円)、営業利益は同33.4%増の101億2700億ユーロ(約1兆3671億円)、純利益は同23.2%増の65億3200ユーロ(約8818億円)だった。

 部門別の売上高では、主要事業のファッション・レザーグッズ部門が同30.8%増の181億3600万ユーロ(約2兆4483億円)と引き続き好調だった。スターブランドの「ルイ・ヴィトン(LOUIS VUITTON)」と「ディオール(DIOR)」に加えて、「フェンディ(FENDI)」「セリーヌ(CELINE)」「ロエベ(LOEWE)」「ロロ・ピアーナ(LORO PIANA)」「マーク ジェイコブス(MARC JACOBS)」も成長が著しく、業績に貢献した。

 ジャン・ジャック・ギヨニー(Jean-Jacques Guiony)最高財務責任者(CFO)によれば、ほとんどのブランドがインフレ対策として上半期に3~7%の値上げを行ったという。同氏は、「価格改定による顧客からのマイナスの反応は特にない。現時点では下半期にさらなる改定をする予定はないが、様子を見たいと考えている」とアナリスト向けの説明会でコメントした。

 「ブルガリ(BVLGARI)」「ティファニー(TIFFANY & CO.)」「タグ・ホイヤー(TAG HEUER)」などの人気ブランドを抱えるウオッチ&ジュエリー部門は同22.0%増の49億900万ユーロ(約6627億円)、香水&コスメティクス部門は同19.6%増の36億1800万ユーロ(約4884億円)、ワイン&スピリッツ部門は同22.9%増の33億2700万ユーロ(約4491億円)といずれも2ケタ成長だった。免税店のDFSや化粧品のセレクトショップ、セフォラ(SEPHORA)などを運営するセレクティブ・リテール部門は、観光客が戻りつつあることが寄与し、同30.3%増の66億3000万ユーロ(約8950億円)となった。

 現在、世界ではロシアによるウクライナへの軍事侵攻、中国での再ロックダウン、サプライチェーンの混乱、インフレや景気後退の懸念など、地政学上および経済上の先行き不透明感が続いている。ギヨニーCFOは、「そうした難しい環境下においても素晴らしい業績を上げられたことをうれしく思う。これは多様なブランドを世界中でバランスよく展開するという、当社の優れた戦略の賜物だ。もちろん外的ショックによる影響を全く受けないわけではないが、悪条件の中でも手を尽くし、より強い企業としてそこから立ち上がる力があると確信している。今後についても悲観はしていない」と述べた。

 ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)会長兼最高経営責任者は、「全ての部門が貢献してくれたおかげで、素晴らしい上半期となった。下半期も確固たる自信を持って事業を進めていくが、地政学上および(コロナ禍という)健康上の懸念を鑑み、引き続き慎重かつ迅速に物事に対応し、ラグジュアリー分野のリーダーとしてのポジションをさらに強化していく」と語った。

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