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「リーボック」「バーニーズ」の親会社がスタートアップ企業を提訴 新規導入の決済システムが機能せず多額の損失

 「リーボック(REEBOK)」「バーニーズ ニューヨーク(BARNEYS NEW YORK)」「フォーエバー21(FOREVER 21)」などを傘下に持つブランドマネジメント企業のオーセンティック・ブランズ・グループ(AUTHENTIC BRANDS GROUP以下、ABG)は、新規に導入したオンライン決済システムなどが想定通りに機能しなかったことで損害を負ったとしてテクノロジー分野のスタートアップ企業ボルト ファイナンシャル インク(BOLT FINANCIAL INC以下、ボルト)を提訴した。

 ABGは、「商業的に妥当なタイムラインの下、ボルトが提供する機能を(ABG傘下)ブランドのウェブサイトにシームレスに搭載する」ことをボルトと合意していたが、「ボルトは完全に失敗した」と主張。ボルトが提供予定だった新規オンラインシステムの第一段階であるチェックアウト機能を「ブルックス ブラザーズ(BROOKS BROTHERS)」に導入したところ、ユーザー認証やシングルサインオン、分割後払いサービスの“バイナウ・ペイレイター(Buy now, Pay later)”機能に障害が発生したため、「ラッキー ブランド(LUCKY BRAND)」と「フォーエバー21」に同時期に導入予定だったが、これを断念したという。ABGによると、この「失敗作」によってブランドのECビジネスが阻害され、「フォーエバー21」は1億5000万ドル(約189億円)の損失を被ったという。また、ABGとボルトの協業が成功すれば、ボルトの知名度は向上し、ABGはボルトの株式の5%を取得する取り決めとなっていたため、双方にとってメリットがあるとABGは主張したが、ボルトはこの点について否認している。また、ABGの主張は契約条件の再交渉を求める「見え透いた試み」であると反論する。

 本件裁判は、ディスカバリー(証拠開示手続き)に進み、10月までには公判が始まる予定だ。

 ボルトは現在27歳のライアン・ブレスロー(Ryan Breslow)共同創業者が2014年に創業したスタートアップ企業。企業価値は110億ドル(約1兆3860億円)。パスワードなどを入力しなくてもワンクリックで買い物ができる機能を開発・提供している。

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