エリーローズ
PROFILE:1986年9月25日生まれ。12歳の時に写真家・篠山紀信撮影の写真集でデビュー。イギリス人の母(スタイリスト)と日本人の父(フォトグラファー)の間に生まれ、ティーン誌などを経て、女性誌「ViVi」のモデルを10年間務めた。2008年からはDJとしても活躍している。
ファッションモデルでDJとしても活動するエリーローズが、自身初のフォトアートスタイルブック「ELLI-ROSE」(宝島社)を2月24日に発売した。写真集に込めた想いと、今後のビジョンを聞いた。
WWDジャパン(以下、WWD):一足先に読んだが、ロンドンや東京での撮影に加え、自宅で撮影したプライベート風写真にもインパクトがありました。
エリーローズ:この写真集では、いろいろなクリエイターの方々と一緒に仕事をさせていただくことができました。スタイリストの百々千晴さんにもラブコールを贈らせてもらったら、「ナチュラルなエリーローズを、ゆるい感じで良さを引き出したい。エリーの部屋で撮れば、リアルな一面が見えるのでは!?」と言われて、自宅で撮影をすることになりました。しかも、ホンマタカシさんが撮影をしてくれることになり、すごくうれしくって!あまり人物を撮られないイメージがあるから、すごく貴重ですよね。気が付いたらセミヌードのものや、コットンのTシャツやスポーティーなボディスーツ、デニムに手ブラ姿、髪を濡らしたものなどもありましたが、いやらしくない、あどけない表情でセクシーさも残した姿が見せられたかなと思っています。
WWD:写真集を出そうと思ったきっかけは何ですか?
エリーローズ:もともと、12歳の頃に篠山紀信さんに撮影していただいた写真集がきっかけでデビューしていて、今回は18年ぶり、2冊目の写真集になります。今年30歳を迎える節目の年で、ずっと専属モデルを務めてきた「ViVi」から昨年卒業したタイミングでもありました。SNSのコメントなどでも「フォトブックを出してください!」とお声をいただいていたことも後押しになりました。「ViVi」は10年間も出ていて、毎月かなりの時間を費やしていましたし、モデルやスタッフのみんなといるのが当たり前で、学校みたいな存在でした。だから、辞めてからは、ポッカリと穴が開いたみたいな感じもしていて。一方で、創造者、表現者としては、媒体というフィルターのかかっていない、自分を出すことができると思ったんです。それで、きっちり自分の芯や、歩いてきた道を見つめ直し、今の自分をどう写し出すかを意識して、3~4カ月でギュッと集中して作りました。今までの自分のヒストリーや、培ってきたものを1冊の本に託せたと思います。
WWD:内容についても、かなりパーソナルな部分を披露しているように思えます。
エリーローズ:今はSNSの時代でいろいろな情報が見られるけど、実は私は私服やプライベートなどはあまり出さないようにしてきました。今回はモデルとしてだけでなく、とてもパーソナルに、女の子が好きなコスメとか、DJとしての音楽に対する想いなども語りましたし、育ちや恋愛などエリーローズの本当の中身をかなりぶっちゃけています(笑)。大失恋について語ってみたり……。でも、そんな辛い時期を乗り越えたから今があるというところを強調したいですし、ファンの子たちにもそう思ってもらえたらと思っています。この本を10年後も読み直して、ハッピーに、元気になってくれたら嬉しいですね。私、"人のために""喜ばせたい"という気持ちが小さい時からけっこうあって。学生時代も勉強やバレエなどは、親を喜ばせるためにやっていたようなところがあるんですよね。
WWD:確かに、SNSを通じて、ファンと友好的にコミュニケーションを取っていると聞きます。
エリーローズ:今回の本の150問くらいあるクエスチョンは、実はツイッターで募集して、オンタイムで来た質問に回答しました。だから、バリエーションも豊富だし、ビューティやファッション以外の、私の人間性を想像して投げてくれた質問も多くて。「エリーだったら解決してくれる!」といったような人間味のある質問が多かったように思います。愛を感じる分、愛を返してあげたいんです。信じてくれている人がいるだけでエリーローズが進み続けることができるんです。
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エリーローズ
WWD:ファッションについて、特にこだわった部分は何ですか?
エリーローズ:一つは、私のルーツでもあるロンドンのパートですね。母がイギリス出身で、私自身も中学生時代に英国で生活してきたので、ブリティッシュなものは大好きで。ロンドンのストリートや、留学していた郊外のウィンザーなど、自分が歩いてきた場所にタイムスリップしつつ、今の自分を映してきました。ドレスを着たり、70年代的なものだったり、エリーローズだからローズ=バラのモチーフのものなども着用しています。私服もたっぷり出しています。トータルで60体ぐらい掲載していますが、クレジットはあえて記載していません。ビンテージも好きだし、今買えないものもあるので。あくまでもスタイルブックとして参考にしてもらえればと思っています。撮影はロンドンは2日間の弾丸シューティングで、東京ストリートで1日、ビューティーを1日、ホンマタカシさんと1日。合計5日間でファッションシューティングを終えました。今回は野口強さん、小浪次郎さん、TAKUさん、小戸紀代子さん、ナーズのSADA ITOさんなど、スタイリストもフォトグラファーもヘアメイクもプロフェッショナルな方々で、エリーの良さをどう引き立てるのかを分かってくださっている方々ばかり。ロケバスや現場で意見を交わしたりはしましたが、語らなくてもキレイに撮ってくれていて、「気が付いたらいいものが撮れていた!」という感じでした。編集ページについては、デザイナーさんや編集さんのアドバイスもいただきながら、自分で編集し、表現したいものを1カ月くらいかけて作り上げました。明確なビジョンを持って臨んでいたので、自分のクリエーションとして思いをそのまま形にできたと思います。
WWD:エリーローズのクリエイティビティ―は、両親から受け継いだものでもあるんですよね。
エリーローズ:両親の影響は大きいですね。日本人の父(荒川弘之)はフォトグラファーで、昔はファッションや広告など、最近はアート寄りなものを撮影しています。山本耀司さんとも縁が深く、「ヨウジヤマモト」の「ディスコード」で父の撮影した「ホワイトフラワーズ」の写真をプリントしたシリーズなども展開されています。一方、イギリス人の母はもともとメイクアップからスタイリストになり、世界の「ヴォーグ」や「ヴァニティーフェア」などでも仕事をしてきましたし、森英恵さんのショーのヘアスタイリストや演出などを長く手掛けてきました。山本寛斎さんやヴィヴィアン・ウエストウッドさんなど、著名人の方とも仕事をしたり、プライベートでも仲が良かったり。親を通していろいろな出会いがありました。先日は、若い頃からホームパーティーなどプライベートでお付き合いしてきた黒柳徹子さんと共演する機会がありました。サプライズで母が登場したらとっても驚いて、喜んでくれていましたね。写真家の篠山紀信さんとも仲良しで、カフェにいた時にお会いた時に撮影してみようと声を掛けていただいて、12歳で写真集を出すことができました。「表現力もあるし、カメラに対する意識や魅せ方がうまいから、モデルになった方がいいよ!」というアドバイスがきっかけになり、この道に入りました。両親を見て育ったから、スタイリッシュでいることが当たり前になっています。小さい時から表現することが大好きで、歌や演技レッスンもしていました。小学生の時はファッションデザイナーになりたいと思っていました。ファッションに囲まれていた母に隠れて部屋に入り、母の服や化粧品などを使って一人でファッションショーをしていたりもしました。ファッションデザイナーになりたくて、ロンドンのセントラル・セント・ マーチンズに入ってテキスタイルを勉強しようかとも思っていました。でも、「ViVi」のモデルの仕事が決まったので、モデルの道を選び、それから仕事一筋できました。
WWD:モデルの他に、DJとしても活躍していて、今回は好きな音楽やレコードなども紹介していますね。
エリーローズ:小さい頃から親の影響で、音楽も好きでディスコなどにも憧れていました。パーティーやクラブに良くいくようになったのは、20歳ぐらいからですね。ダンスミュージック、モータウン、ローリングストーンズ、ピンクフロイドなども良く聞きました。DJに興味を持ち始めたのも同じ頃です。ターンテーブルとミキサーを買って、撮影が終わったらまっすぐ家に帰って、レコードを回してミックスするのが楽しかったです。それから徐々にファッションのパーティーでもDJをやるようになり、本物のクラブなどからオファーが来るようになりました。今年で10年目になりますが、最近では海外からもオファーが来るようになっています。70~80年代のファンクやソウルがベースになっています。ポピュラーなものも、皆が知らないようなテクノやハウスもかけるけれども、ダイアナ・ロスなどをミックスしながら、グルービーに躍らせるのが好きですね。好きで、趣味で始めたことが続けてくるうちに形になり、仕事につながっていることがすごくうれしいです。
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フォトアートスタイルブック「ELLI-ROSE」(宝島社)
WWD:これから力を入れていきたいことは何ですか?
エリーローズ:掘り下げたいのはDJの仕事です。もっと音楽制作の方にも集中して、海外にも挑戦していきたい。そのためには、自分でオリジナルの音楽を創作してリリースしていきたいです。もちろんファッションをモデルとしても続けていきたいので、どちらかを選ぶというのは自分の中でなくて、どちらも大切な自分のキャリアです。今回本を作って気がついたのは自分がクリエイティブなことの力をつけたなぁということ。将来は、プロデュース業にも携わりたいですね。今はまだ形になっていないけど、ますますクリエイティブな仕事をしたいと思っています。30歳を前に、子どもも欲しくなってきてもいます。仲良しの長谷川潤ちゃんなどに「わ~、エリーが子ども欲しいなんて、ビックリ!」と言われたりもするけど、家族に憧れる部分もあるのかも。両親とはしょっちゅう連絡を取ったりご飯を食べたり、仲もいいけど、18歳からずっと一人暮らしをしていたので、家族と生活するのが楽しそうだなって。今までは音楽に対するパッションが強く、DJは夜の仕事なので、子どもを持つイメージができなかったし、実際に子育てには合わない部分もありました。でも、作曲、プロデュース活動は家でもできる仕事なので。子どもを生み、育て、私の母みたいに"スーパーママ"になりたいですね。
WWD:モデルとしての次に挑戦したいことは何ですか?
エリーローズ:クリエイティブなスタッフで撮影をしたいですね。雑誌でも広告でもテレビの仕事でも、ハイファッション・ハイブランドのかっこいいものを作っていきたい。今はどこの媒体にも属していないので、一人のモデルとして、よりクオリティの高い、面白いメンバーで仕事ができたら。そうすることで、皆さんの憧れの存在でい続けられたらと思っています。