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ヒットユニオン傘下の「ラベンハム」が世界NO.1市場の日本でECを本格化

 ヒットユニオン(東京都、田辺圭二社長)は、1995年に傘下に収めた英フレッドペリー(FRED PERRY)を通じて2013年に買収した英国ブランド「ラベンハム(LAVENHAM)」について、20-21年秋冬シーズンまで渡辺産業に委任していた日本向けのセールおよびPR機能を自社に移管、さらに日本市場でECを本格化する。

 「ラベンハム」は1969年に創業。今なお全ての製品を英国内の自社工場で生産しており、シグネチャーアイテムであるポリエステル製のダイヤモンド柄キルティングジャケット(3万円台後半~4万円台後半)はセレクトショップを中心に販売され、日本人ビジネスマンがスーツの上に羽織るアウターとして定着している。日本で新たなスタートを切る「ラベンハム」について、ジェイク・ウィルモア(Jake Willmore)ブランドマネジャーに話を聞いた。

WWD:国別の売り上げで日本と英国はそれぞれ何番手につける?

ジェイク・ウィルモア「ラベンハム」ブランドマネジャー(以下、ウィルモア):日本は長年にわたるナンバーワン市場だ。顧客といっそうダイレクトな関係を築くため、1月14日にウェブサイトをリニューアルしECを本格化する。日本には「ラベンハム」の直営実店舗がなく、“初めてのオンリーショップ”の位置付けとなる。日本のスタッフからは、全商品を無料発送し、メンバー登録したお客さまには丈詰めや修理などのアフターサービスも受けられるようにすると聞いている。日本向けの各種SNSチャンネルも新設し、ECとの相乗効果を狙う。そして第2の市場が英国だ。18年にロンドンにオープンした世界初の直営実店舗と、19年にリローンチしたECがけん引する形で成長している。もちろん卸先とも密にコミュニケーションし、ブランドストーリーをきちんと伝えるべくアクションしている。

WWD:新型コロナは、“日英ワンチーム”の「ラベンハム」にどんな影響を与えた?

ウィルモア:「ラベンハム」はブランドマネジャーである僕が英国に、ヘッドオブクリエイティブであるカズ(横塚和幸)さんが日本にいるユニークなチーム編成だが、コロナによる困難はわれわれの結束を強めた。ビデオ会議システムをはじめとするデジタルツールの活用や、日英が明確な目的を共有することなどにより、物理的な距離の隔たりは解消された。

WWD:キルティングジャケットに変わる新たなシグネチャーアイテムは登場する?

ウィルモア:キルティングベストに注目してほしい。日本では“「ラベンハム」=キルティングジャケット”の認知をいただいているが、「ラベンハム」の原点であるホースラグ(乗馬馬用のキルティングナイロン毛布)に続いて商品化されたキルティングベストはブランドの核とも言えるアイテムで、英国版ECでは20年に最高のパフォーマンスを発揮した。日本での販売価格は2万円台後半だ。

 ヒットユニオンは、49年に福井県で創業した田辺莫大小(メリヤス)製作所の企画・販売部門を分離・独立させる形で69年に誕生。自社ブランド「ジャックマン(JACKMAN)」などを手掛けるかたわら、「フレッドペリー」や「ラベンハム」を買収。国内では2016年に自転車ファッションの先駆け的ブランド「ナリフリ(NARIFURI)」、18年に帽子ブランド「カシラ(CA4LA)」を手掛けるウィーブトシを傘下に収めた。売上高は283億円(19年6月期/20年から決算期を12月に変更)。

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