PROFILE:アクリスの創業者アリス・クリームラー=ショッホの孫として、1960年スイス・サンガレンに生まれる。80年、初のクリエイティブ部門の責任者として家族が経営するアクリスに入社。87年、弟のピーター・クリームラーと共に、3代目としてアクリス事業を引き継ぐ。2004年からパリ・コレクションに参加。10年、ファッション・グループ・インターナショナル(FGI)主催の第27回ナイト・オブ・スターズを受賞した。
「日本はアジアのふるさとのような場所。毎年来るのは難しいが、常にインスパイアされる。井野智恵子アクリスジャパン社長をはじめ、本当に良いチームで仕事ができ、成長を続けられている」とアルベルト・クリームラー=クリエイティブ・ディレクターは日本への想いを語る。4年前の来日も8月で猛暑の夏だった。「暑さの厳しい日本の気候を体験し、マーケットニーズを理解して日本限定の『サマーコレクション』を提案した」。このコレクションは好評を得て、今ではプレフォールの一部としてワールドワイドに広がっている。さらに「井野社長に日本市場ではプリントアイテムが大切だとアドバイスされて、このフォトプリントのシリーズが誕生した。単にフォトプリントしているわけではなく、毎シーズンコレクションの着想源をクリアに表現している」。2009年春夏から登場したプリントのモチーフは、メキシコのモダニズム建築家のルイス・バラカンの作品や、19世紀末“海のプリンス”と呼ばれ“プリンセス・アリス”号を操縦して世界の海を探検したモナコ公国のアルベール一世、女性初の大西洋横断飛行を成し遂げたアメリア・イアハートが機上から眺めた雄大な砂漠やサバンナの夕焼け、広い海原をイメージしたものなどストーリーのあるものばかりだ。共通項はその時代にモダンであった点だろう。
思い描く女性像については、「優美で、共感できるスタイルを持つモダンな女性たちがアクリス・ウーマン。仏『フィガロ』は『アクリス・ウーマンはビジネス、アート、政治、エンターテインメント、クリエイティブな業界、サイエンスなどさまざまな分野でのグローバルスタンダードな女性のエリートである』と表現してくれた。私はこのような女性のために働くことをうれしく思う。そして、ファッションはエフォートレスでなければならない。心地良く過ごしてもらえるようなウエアを提案したい」。 イベントの後には直島や豊島を回るという。「次のコレクションは日本からインスパイアされたものになるかもしれないよ(笑)」。