
「サカイ」の次に世界で活躍しそうな東京ブランドは何か。取材をしているとたびたび聞かれる質問だ。ここでは、ブランドスタート10年以下で、弊紙注目の4人にフォーカス。着々とブランドを成長させてきた“「サカイ」神話”に沿って、デザイナー自身が社長であり、展示会からコレクションをスタートしているブランドであることを選定基準に、デザイナーらが今後のクリエイションとビジネスについて考えているコトモノを聞いた。第1弾は「マメ(MAME)」のデザイナー、黒河内真衣子だ。
さりげなく肌が見えるカッティングと柄で際立つ女性らしさ
ブランドスタート5年目ながら、着実にステップアップしているのが「マメ」だ。ファーストシーズンから、女性の身体のラインを美しく見せるカッティングと、繊細な刺しゅうのディテールで、完成度の高いコレクションを発表してきた。 日本に古くからある文化や職人の技術を再解釈したアイテムは、凛として力強く日本的な空気感が漂っている。
また、石川県の家具屋で偶然見つけた古い写真に写る人々からイメージを広げたり、国内外の旅で出合ったコトモノからインスピレーションを得たりなど、コレクション説明で語られる短編小説のような黒河内デザイナー自身の創作ストーリーも魅力。ブランドの世界観をより一層引き立てている。
アイテムに関しては2013年春夏から、ポリエステルに置き換えた定番シルエットのワンピースやレースに刺しゅうを施して糸量を調節したカットソーなど、1万円台から購入できるカジュアルなアイテムを提案している。
さらに2015年春夏シーズン、 パリのマレ地区で初の海外単独展示会を開催。日本的だったブランドのイメージにオリエンタルな強さが加わり、40万円台のコレクションピースなども登場している。自然をモチーフにした柄だけでなく、 パターンのバリエーションも広げた。
【ルック】「マメ」2015-2016年秋冬コレクション ▶︎
【ルック】「マメ」2014-15年秋冬東京・コレクション ▶︎
”今後の課題はサイズ感、反応を見て増やしたい”
今季は「パッシング」をテーマに、宮本輝の小説「錦繍」を読みながら、半年間旅をして見たものに着想。主人公の2人が東北で再会する小説の冒頭から、自身も東北に出向き、そこで見た“こぎん刺し”や“ボロ着”など、寒さ厳しい生活の知恵から生まれた美しさから、コレクションを構築した。今年2シーズン目のパリでは、「日本の技術を活かした生地、 刺しゅうなどの加工に良い反応があった」と黒河内デザイナー。これまで小柄な彼女が作るコレクションは、背が高めの女性にはサイズ感がやや小さ目なこともあったが、海外を意識した昨シーズンから、丈感が長いアイテムも増えている。「課題はサイズ感。昨シーズンから、3サイズ展開を始めているが、今後も反応を見て増やしていく予定」だという。昨シーズンは、エイチ ロレンツォやシャインなど、海外ECサイト含め、14店舗が取り扱いをスタート。国内では約60店舗の卸先を持ち、ビジネス含めてさらにブランドが広がりそうだ。
