経営再建中のユニチカは10月26日、100%子会社で染色加工を手掛ける大阪染工(大阪府島本町)の解散を発表した。10月31日の臨時株主総会で解散を決議し、2027年9月30日に清算を終える。ユニチカは24年11月、地域経済活性化支援機構(REVIC)の支援を受けた事業再生計画を公表しており、解散はその一環。本社工場の売却とセットで決まっていた既定路線だ。
大阪染工の本社工場は、サントリーのウイスキー「山崎」の蒸溜所の隣にある。かつては同じ地下水を使って染色やプリントを行い、サントリー側から蒸気の供給を受けていた時期もあった。ユニチカは25年8月、約4.5万㎡のこの土地と建物をサントリーホールディングスに売却すると発表しており、譲渡益は約194億円だった。年間売上高15億円に満たない染色会社の土地が、その13倍もの利益を生んだ計算になる。引き渡しは、解散を決議する臨時株主総会と同じ10月31日を予定している。
大阪染工の26年3月期の売上高は14億7900万円、営業損益は4200万円の赤字と本業は振るわなかったが、当期純利益は133億1900万円に跳ね上がった。25年3月期に24億6800万円の債務超過だった純資産は108億5100万円に転じ、1株当たり8800円の配当も実施した。ユニチカ本体も26年3月期連結決算で固定資産売却益237億円を特別利益に計上しており、かなりの部分を大阪染工跡地の売却益が占めた。
大阪染工は、大日本紡績(現ユニチカ)の山崎絹糸工場を源流とし、1977年に現在の本社工場の形になった。高級プリントで知られた老舗の染色工場は、ウイスキーの聖地の隣で半世紀近い歴史に幕を下ろすことになる。