サステナビリティ

環境省がサステナブルファッション・キャンペーン始動 笹川大臣出席の総会でロゴとコピー「衣替えのこころがけ」発表 121団体が参加

環境省は経済産業省、消費者庁とともに10月5日、「サステナブルファッション・キャンペーン」を開始し、東京・大手町の日経ホールで「第1回サステナブルファッション・パートナー総会」を開いた。「質の良い衣服を大切に着る」「衣服は資源として次の世代/人/ものへ」という価値観を広げることを狙い、衣替えなど季節の変わり目をきっかけに、生活者一人ひとりが衣服との付き合い方を見直す機運をつくる。総会ではキャンペーンのロゴとキャッチコピー「衣替えのこころがけ」を発表した。同時に始まった「サステナブルファッション・パートナー制度」には、企業89社、団体26件、自治体5件、大学1件の計121団体が参加している(10月5日時点)。

総会の冒頭であいさつした笹川博義環境大臣は、使い古した自身のネクタイから友人が作ったというクマの人形を披露した。表裏の色が褪せて締められなくなったネクタイで、今は孫が遊んでいるという。笹川大臣は「こういう一つ一つの取り組みが、持続可能な社会を作っていくことに間違いなくつながっていく」と述べたうえで、サステナブルな取り組みが「ビジネスにつながること」も大事な観点だと強調した。循環社会と再生資源の活用については「国としてもこれからも鋭意取り組んでいかなければならない大きな課題」と位置付け、パートナーの活躍に期待を寄せた。

経産省「単なるコストで終わらせない」

経済産業省からは畑田浩之・大臣官房審議官(製造産業局担当)が登壇した。畑田審議官は、サステナブル対応を「単なるコストということで終わらせずに、新しい需要あるいは付加価値を生み出していく」ことで、日本のファッション関連産業の国際競争力を高めるチャンスと捉えると述べた。繊維産業のサステナブル化は政府の成長戦略でも重要テーマに位置付けられているとし、国内で手放される衣料品の約7割を占めるという複合素材繊維の再資源化に向けた技術開発や、素材や環境負荷の情報のトレーサビリティ確保に取り組むと説明した。総会については、役所だけでなく「皆さんと一緒に取り組んでいく、その出発点」と位置付けた。

キャッチコピーは「衣替えのこころがけ」

ロゴとキャッチコピーは、6月5日から7月12日までそれぞれ公募した。環境省が示したコンセプトは「『衣替え』をきっかけにクローゼットから循環をはじめよう」。今ある服を点検し、手入れしながら長く着る。「もう着ない」服はリユースへ、「もう着れない」服はリサイクルへ回す。生産地や品質、デザインの面で「価値ある一着」を選ぶ。リユース品やサステナブル素材の服にも目を向ける。この4つを柱に据えた。8月に開いた審査委員会で大賞と副賞を選んだ。審査委員は、井野将之「ダブレット」デザイナー、ライフスタイリストの大田由香梨氏、鎌田安里紗unisteps共同代表理事、日本アパレル・ファッション産業協会(JAFIC)を代表して小林裕子・三陽商会事業統轄本部店舗支援室室長、向千鶴WWDJAPANサステナビリティ・ディレクターの5人が務めた。

ロゴはタンスの上にハートが乗った温かみのあるデザインが選ばれ、キャッチコピーは「衣替えのこころがけ」に決定した。審査会でファシリテーションを務めたThe Breakthrough Company GOの砥川直大クリエイティブ・ディレクターは審査会を振り返り「議論のきっかけになったのは、衣替えが日本固有の文化だという点だった」とコメント。衣替えを夏服と冬服を入れ替えるだけの作業ではなく、年に2回、服との付き合い方を考え直すきっかけにしようと、行動を促す言葉として「衣替えのこころがけ」を選ぶにいたったと説明した。砥川氏は「あえてサステナビリティやリサイクル、リユースといった言葉ではなく、一人一人の服との接点に立ち返るような言葉にした」とも。タンスは衣替えにちなんだモチーフで、ハートは服への愛着を表す。行政のキャンペーンロゴにハートが入るのは珍しいが、愛着こそが重要だという審査チームの議論を反映したという。

121団体が参加、リユース・二次流通が厚く

環境省ファッションタスクホースのリーダーを務める永田綾・環境省自然環境局自然環境計画課生物多様性ビジネス推進室室長発表による概要説明に続き、参加企業が次々と壇上に上がり、約2時間にわたってサステナブル・ファッションの取り組みや意気込みを発表。リユース・二次流通の事業者や余剰在庫のフラッシュセール、リユース店向けの基幹システムまで、中古品の流れをつくる企業が多く名を連ねる。アパレル大手や百貨店・商業施設は、店頭での衣料回収やレンタル、認定リユース品の販売などを掲げて参加した。素材メーカーや繊維商社は、反毛や「繊維to繊維」のリサイクル技術を打ち出している。お直しを事業にする企業や団体や、学校制服や作業服などユニフォーム関連のメーカーも参加。回収した衣類を炭化して土壌改良材にする、土に還して作物を育てるといった、農業とつなぐ取り組みも複数並んだ。また、障害のある人の就労と組み合わせた取り組みを掲げる企業・団体もある。さらに自治体は埼玉県、名古屋市、いわき市、群馬県富岡市、福岡県宗像市の5件で、回収拠点マップの公開や回収ボックスの設置などを紹介した。

会場では、展示コーナーも設けて、パートナーが取り組みを展示。出展者はスタートアップから大手商社まで、規模も事業内容も幅広く、各所で新しい出会いが生まれていた。

閉会のあいさつで、熊倉基之・環境省資源循環グループ長は、省内の有志が6、7年かけて準備してきた取り組みが第1回の総会に至ったことに触れた。そのうえで、ファッションは生活者が環境に取り組む第一歩になり得るとし、「環境に関するムーブメントとしては最大級のものを起こせる」ポテンシャルがあると述べた。また、今後の制度づくりのキーワードとして「回収」を挙げ、効率よく必要な量を回収する仕組みづくりに、環境省として、政府としてさらに取り組む考えを示した。

サステナブルファッション・パートナー参加団体(121団体、10月5日時点、五十音順)

企業(89社):アイトス、明石スクールユニフォームカンパニー、イーエムアイエステート、イーベイ・ジャパン、ITOHA、inside and out、VIEVON、エイチ・カツカワ、エー・ディー・ピー、ECOMMIT、エストネーション、X Cube Solutions、オークネット、お宝創庫、お直しコム、オンワード樫山、河田フェザー、菅公学生服、KISARAZU CONCEPT STORE(三井不動産)、クーヤデザイン、CIRCULAR CARBON、サークラックス、CYKLUS、THAT'S FASHION WEEKEND、サンユニフォーム、三陽商会、C.F.S.、ジーエルシー、siimee、JGC Digital、JEPLAN、シキボウ/新内外綿、シップス、情報の森、Synflux、スマイルズ、ゼンドラ、ターンオーバー、大丸松坂屋百貨店、髙島屋、タキヒヨー、瀧定、WWDJAPAN、蝶理、艶金、TAフロンティア、ディープサンクス、TSIホールディングス、テーラーバンク、豊島、ナイガイ、ナガセケムテックス、ナカノ、ニット青木、日本毛織、nook、野村貿易、BIOTECHWORKSH2、バウンスバック、博報堂Gravity、バリュエンスジャパン、バロックジャパンリミテッド、BBBRA、BPLab、東谷商店、ヒューマンフォーラム、ファッションクロスフルシマ、フクル、ブックオフグループホールディングス、Brand new day、Blueprint one、フレーベル館、ホームドライ富山、マーベラス・フロンティア、三起商行、MILKBOTTLE SHAKERS、メルカリ、Merone、森田屋縫製、モリリン、la belle vie、Landeo、RECORE、RitzSolutionPartner、ルックホールディングス、ルミネ、レインボーシェイク、ワールド、ワールド・モード・ホールディングス

団体(26件):CSR&コンプライアンス研究フォーラム、ジャパンサステナブルファッションアライアンス、Switch愛媛、中部リサイクル運動市民の会、テキスタイル情報流通プラットフォーム、とよなか市民環境会議アジェンダ21、日本アダプティブファッション協会、日本アパレル・ファッション産業協会、日本サステナブルシルク協会、日本サステナブルリペア協会、日本繊維機械学会・繊維リサイクル技術研究会、日本繊維産業連盟、日本テキスタイルデザイン協会(TDA)、日本百貨店協会、日本フェアトレード・フォーラム、日本リ・ファッション協会、八王子市地球温暖化防止活動推進センター、FASHION BANK、ファッションビジネス学会FashionGood研究部会、Blue Earth Alliance、ボーケン品質評価機構、まち・ネット・みんなの広場、まつやまこどもエコクラブ、laoculture.jp(Lao Fashion Week Japan)、Re-Creation、リデザインプロジェクト
自治体(5件):いわき市、埼玉県、群馬県富岡市、名古屋市、福岡県宗像市
その他(1件):信州大学繊維学部

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