
「マックスマーラ(MAX MARA)」2027年春夏コレクションは、サファリジャケットやカーゴパンツ、トレンチコートといったユーティリティーの要素を、軽やかな素材と美しい仕立てでラグジュアリーな日常着に変換した。イアン・グリフィス(Ian Griffiths)=クリエイティブ・ディレクターは米「WWD」の取材で、今季のアプローチを「ユーティリティー・リュクス」と呼んだ。
1930年代の女性冒険家に着想
自由に世界へ踏み出した女性像
今季のアイコンとして挙げたのは、探検家のフレイヤ・スターク、野生動物写真家のオサ・ジョンソン、大陸を横断したドライバーのエヴァ・ディクソン、飛行家のアメリア・イアハートとベリル・マーカム。女性の行動や役割が今よりはるかに限定されていた1930年代に、自らの意思で世界へ踏み出し、自分の目で世界を見ることに挑んだ冒険家たちだ。グリフィス=クリエイティブ・ディレクターはその好奇心と強さに満ちた精神を、現代を生きる女性たちに重ねた。
サファリジャケットやカーゴをエレガントに
サファリジャケットは、リネンや光沢のあるギャバジンで仕立て、落ち着いたトープのワントーンでまとめたり、体に沿う細身のシルエットにしたりすることでエレガントな印象を作る。ハンティングベストは、大きなポケットという象徴的な要素は残して他のディテールを削ぎ落とし、 日常のワードローブに自然になじませた。
オーガンジーで仕立てたトレンチコートやジャンプスーツや中央に深いスリットを走らせたカーゴポケット付きのスカートも登場した。素材の軽さや透けは官能性を引き出すためというよりも、体の動きを妨げず、女性の歩みを前へと進めるための機能として映る。
グリフィス=クリエイティブ・ディレクターが提案する「ユーティリティー・リュクス」とは、そうした現代を生き抜くために必要な“機能”を、ラグジュアリーの中で捉え直す試みとも言えそうだ。