夏休みもそろそろ終わりだが、今年のシルバーウイークは11年振りの大型連休になる。5連休、中には9連休という人もいるだろう。9月になれば残暑も和らぐだろうし、レジャーの予定を立てる人も多いはずだ。ここでは、そんな秋の行楽にふさわしいアートイベントを紹介する。新潟・田上町で開催されている「国際田上竹祭 たがみバンブーブー(以下、たがみバンブーブー)」は、その名の通り“竹”にフォーカスしたアートイベントだ。5年目を迎える今年は9月12日〜10月12日に開催。町内の3会場を中心に、竹にちなんだアート作品の展示やインスタレーションを行う。期間中には、アスレチックやワークショップ、サウナなどのアクティビティも予定されている。期間中には人口約1万人の田上町に約5万人が訪れるという。
町のプライド“竹”の魅力を世界に向けて発信
新潟市と燕三条の間に位置する田上町は、17ヘクタールの竹林がある竹の名産地だ。竹とのつながりは400年にも及ぶと言われる。えぐみのないタケノコが取れ、かつては嫁入りの時に竹の地下茎を持たせる風習があったという。それほど竹は、田上町の暮らしに根付いた“プライド”だった。しかし、竹製品がプラスチックに置き換わり竹の需要が激減し、竹林の放置や廃棄などが課題になっている。そこで、田上町商工会青年部が中心となり、地方創生の一環として21年「たがみバンブーブー」をスタート。イベント名のバンブーは竹、ブー(Boo)は驚かせるという意味。「世界一明るい竹のまちへ」をスローガンに、国際田上竹祭として町のプライド“竹”が持つ魅力を発信している。
「道の駅たがみ」の馬場大輔・駅長は、「田上町はガラパゴスのような場所。知っている県民は半数以下とも言われているし、初回のイベントでは、数十年振りに車が渋滞して驚いた」と話す。当初は「誰も来るわけがない」と言われたが、初年度には町の人口とほぼ同じ約1万人の来場があった。2年目からは、一部有料にしたが新潟県中心に来場者は2万人まで増え、昨年は5万人が来場した。「少しずつ田上=竹のイメージが定着している」と馬場駅長。
町全体を巻き込み皆で作り上げるアートイベント
イベントの主要会場は、竹林と越後豪農の館「椿寿荘」、「道の駅たがみ」。竹を使用したアート作品の展示をはじめ、夜になると光の演出による幻想的なインスタレーションが繰り広げられる。期間中は、ロープアスレチックやテントサウナ、ワークショップなど竹に囲まれてさまざまなアクティビティを楽しめる。また、「道の駅たがみ」では、地元グルメや雑貨などを販売するバンブーブーナイトマーケットを開催。来場者は道の駅に車を止め、そこからシャトルバスまたは、散策しながら各会場へ向かう。道の駅をハブに、会場をはじめ、飲食店や小売店などを回遊してもらう仕組みだ。イベントを始めてからは、旅館や飲食店などの利用客が増えて経済効果が生まれているという。
竹の魅力を発信し、町に来てもらおうと始まった「たがみバンブーブー」の大きな特徴は、町全体を巻き込む仕組みだ。イベントを運営する一般社団法人SAIKACHI(サイカチ)を中心に、住民など約2500人がアート作品の制作からイベントの運営まで携わっている。幼稚園、小学校、中学校と連携し、子どもたちもイベント作りに参加。中学生にとってこのイベントはまるで学祭のようなものだ。田上町には高校がなく、中学生を卒業後に町を離れる子どもも多いという。馬場駅長は「だからこそ、田上のプライドである竹を知り、自分たちで町を面白くする経験を残したい」と言う。現在、来場者の多くは県内からだが、少しずつ県外からの来場者が増えているという。
シルバーウイークにちょっと遠出して「たがみ バンブーブー」を訪れ、幻想的な竹林のインスタレーションや地元グルメを楽しんでみては。
▪️田上国際竹祭「たがみバンブーブー2026」
会期:9月12日〜10月12日
会場:「道の駅たがみ」
〒959-1503 新潟県南蒲原郡田上町大字原ヶ崎新田3072番地1
時間:9:30〜22:00
入場無料
※バンブーブーナイトマーケットは期間中、金土日祝日の16:30~20:30開催
会場:たがみバンブーブー竹林
〒959-1503 新潟県南蒲原郡田上町原ケ崎新田2635−16
時間:18:00〜20:30
入場料(高校生以上):1500円(月〜木)、2000円(金、土、日、祝)
※チケットは、オンラインまたは「道の駅たがみ」で販売。駐車場(無料)利用は月〜木だけ
会場:椿寿荘
〒959-1502 新潟県南蒲原郡田上町大字田上丁2402-8
時間:18:00〜20:30
入場料(高校生以上):800円(月〜木)
※チケットは、椿寿荘で現金販売のみ。靴下着用要。駐車場無
期間中は18:00から30分ごとに、「道の駅たがみ」、バンブーブー竹林、椿寿荘の無料周遊シャトルバスを運行