オルビスは7月13日、千葉大学教育学部附属中学校で中学3年生を対象に、スキンケアレッスン「ミライ肌アトリエ」を開催した。これまで希望者を募る課外授業を中心に実施してきたが、学校の保険体育の授業に組み込むのは今回が初めて。肌トラブルが起こりやすい10代に、肌の基礎知識や正しいスキンケア方法を伝えた。
2025年12月にスタートした「ミライ肌アトリエ」は、経営企画部が旗振り役。諸町実希コーポレートグループ・CSR担当は、「子どもや学生にもビューティの知見を広げることで、『生涯ブランド』を目指す」と話す。主な対象はニキビなどの肌悩みが顕在化する高校生だが、要望に応じて中学校でも実施している。
「泡はレモン1個分」洗顔の基本を教える
授業は座学と実践の2部構成で、豊富な接客経験と美容知識を持つ同社の「ビューティクリエイター」が講師を担う。座学では肌の構造やニキビの原因、紫外線対策の重要性などを解説。実践では、ニキビ悩みに対応するスキンケアシリーズ“クリアフル”を使用し、洗顔や化粧水、日焼け止めの使い方を実演を通して教えた。中心は「洗顔のレッスン」だ。講師は「泡の大きさはレモン1個分」「すすぎは10回以上」など、正しい洗顔方法をレクチャー。生徒も泡立てに挑戦し、苦戦しながらも笑顔で取り組む姿が見られた。授業後には約1週間分のトライアルセットやUVケア商品のサンプルを配布。授業での学びを日常のスキンケアにつなげる狙いだ。
SNS時代の肌教育 メーカーの存在意義が高まる

取り組みの背景には、思春期特有の肌悩みへのサポートに加え、SNSを通じた美容情報の増加がある。学生はトレンドや美容成分に詳しい一方、「自分の肌質が分からない」「どの情報が自分に合うべきか判断できない」と悩むケースも少なくない。諸町氏は「思春期は初めて肌の揺らぎを経験する時期だが、正しい知識を学ぶ機会は家庭や自主的な情報収集に限られている」と話す。オルビスはスキンケアを美容ではなく、自分の肌や心と向き合う「セルフケア」の一つと位置付け、自己理解や自己肯定感を育むことを目指す。
こうした活動は事業面にも波及し始めている。アンケートや学生との対話を通じて得た購買行動や情報収集の実態などをマーケティング部門に共有し、商品開発やコミュニケーション設計に生かしている。また、高校生以上を対象としたプログラムでは、店舗で肌測定などを受けられる来店チケットを配布。実際に店舗を訪れ、授業で紹介した商品を購入するケースも出てきているという。
今後は首都圏に加え、地方にも広げる方針だ。同月24日には岩手県内の高校で出張授業を予定するなど、学校との連携を一層強化する。諸町氏は「将来は金融教育や性教育のように、スキンケアや紫外線対策を学校で学ぶことが当たり前になる社会に貢献したい」と展望を語った。