ファッション

YUTAが俳優・中本悠太として挑んだ映画「スペシャルズ」 佐久間大介から受けた刺激と演技へのこだわり

PROFILE: 中本悠太(YUTA)/アーティスト、俳優

PROFILE: (なかもと・ゆうた)1995年10月26日生まれ。大阪府出身。2012年に大阪で開催されたSMエンタテインメントのグローバルオーディションで見事合格し、練習生になるために渡韓。16年、SMエンタテインメント初の日本人メンバーとしてデビュー。「活動グループ、メンバー数の制限がない」新たな概念をもち、日本・韓国・アメリカ・カナダなど多国籍なメンバーで構成されるグローバルグループNCT。その派生グループ「NCT 127」のメンバーとして活躍しながら、昨年ソロデビューを果たす。全国ツアー、日本武道館公演も成功におさめ、さらに3月公開の映画「スペシャルズ」に出演するなど、活動の幅を広げている。

グローバルグループ「NCT 127」のメンバーとして、またソロアーティスト「YUTA」として活躍する中本悠太。俳優としても躍進する彼が次なる一歩を刻むのは、3月6日公開の映画「スペシャルズ」だ。今回演じたのは、一流の殺し屋でありながら、あるミッションのためにダンスに挑むことになる桐生。役柄への深いシンパシーや、共演した佐久間大介(Snow Man)から受けた刺激、自身の「色」に対するストイックなまでの矜持など、現在の思いを語ってもらった。

物静かな役だからこそ感情を「目で語る」

——本作で演じられた桐生という役柄について、ご自身との共通点を感じる部分はありましたか?

中本悠太(以下、中本):あまり感情を表に出さないところですね。思っていることがすごくたくさんあって、熱い部分も持っているけれど、それを周りに伝えるのが苦手というか。そういう部分はすごく似てる気がします。だからこそ、誤解されやすいんですよね。本当はそうじゃないのに、言葉足らずだったりして。自分の気持ちが想像以上に相手に伝わっていないもどかしさを実は抱えているというところも、共通していると感じます。

——撮影に入る際、特に意識された内面的なアプローチはありますか?

中本:セリフが多い役ではなかったので、内に秘めているものを想像し、目で語る演技を心がけました。アクションでも通常の芝居でも、目線には細心の注意を払いましたね。あとは一流の殺し屋という設定なので、銃の扱い方も練習しました。僕、マイクを持つ時も指が上がってしまう癖があるのですが、そうならないような持ち方や、肩が上がりすぎないフォームを意識しています。

——ダンスで鍛え上げた体幹やリズム感は、アクションでの動きにどう影響しましたか?

中本:これは良い面もあれば、難しい面もありました。俊敏性や体幹があるのは強みですが、僕らはどうしても動きの「形」をきれいに見せようとしすぎるところがあるんです。そうなるとアクションとしてはリアリティーに欠けてしまう。より泥臭く、リアルに見せることを常に意識していました。

——銃の扱いは、実際にやってみていかがでしたか?

中本:めちゃくちゃ難しかったです。映画「HiGH&LOW THE WORST X」(2022年)でのアクションをいろんな方に褒めていただいていたので、銃もいけるだろうと思っていたのですが、勝手がまったく違いました。喧嘩は自分の体でやるものだから、相手への距離感もだいたい判断できます。でも銃はあくまでも「道具」なんですよね。自分の一部ではないものを使うと距離感などの感覚が狂ってしまう。精密な狙いや、瞬時に回避するタイミングがとても難しかったです。

——演じられた桐生は「群れるのを嫌う殺し屋」ですが、ミッションのために他のメンバーとダンスに挑みます。孤高と協調性のバランスをどう演じ分けましたか?

中本:心境の変化が徐々に表れるように演じました。最初はダンスも頑(かたく)なに拒んでいたのが、だんだんと気持ちが動いて振りが勝手に体に入っていき、最終的には仲間といることに居心地の良さを感じるようになる。そのグラデーションを大切にしました。

——感情の出し方も計算されていたのでしょうか。

中本:自分なりに考えてはいましたが、今回はベテランの方々や佐久間くんという経験豊富なみなさんとご一緒できたので、自然と感情を引き出してもらった感覚が強いです。「芝居で引っ張られる」という感覚を、この作品で初めて肌で感じることができました。

佐久間大介から学んだ
「コミュニケーションの極意」

——主演の佐久間大介さんの姿勢から、どのような刺激を受けましたか?

中本:見習うべき点がたくさんありました。本当にすごく明るくて、現場にいるだけで全員にエナジーを与えてくれる人なんです。それでいて、実はすごく繊細で深く考えている方でもある。僕が一番勉強になったのは、佐久間くんが感じたことをこまめにメモに取る姿勢です。あとは、とにかく楽屋に籠もらず、ずっと周りの方と会話している。「人と円滑に付き合うとはこういうことか」と、現場での振る舞いを学ばせていただきました。

——仕事観についてお話しされることも?

中本:そういうことはなく、本当に一方的に学ばせてもらったという感じです。オンオフの切り替えもすごいんですよ。本番になると目に力がこもるんですよね。僕も目力には自信があったんですけど、圧倒されました。あと、やはりダンスも本当に上手なので、見ていて純粋に楽しかったです。

——他の共演者のみなさんはいかがでしたか?

中本:(椎名)桔平さん、(青柳)翔さん、小沢(仁志)さんという「兄貴たち」の、役に対する姿勢には本当に感動しました。あれだけのキャリアがある方々が、僕らが入る1カ月も前からダンスの練習を積んでいて、僕らに対しても「これってどうするの?」と気さくに聞いてきてくださったり、「一緒にやろうぜ」と言ってきてくれたり。第一線で活躍されている方って、本当に人間性と仕事への取り組み方が素晴らしいなと感じました。

——現場で中本さんがダンスを教える機会もあったそうですね。

中本:みなさん本当にかわいくて(笑)。一つ覚えると一つ忘れてしまったりしながらも、着実に成長していくんですよ。難しいフォーメーションもあるから大変だったと思います。演技をしながら踊ることは僕にとっても苦労した点でしたが、最後はチーム一丸となって乗り越えた手応えがあります。

練習生時代の記憶が蘇る
鏡が曇るほどの熱気

——アーティストとしてステージ上で魅せる時と、俳優としてカメラの前で「役」として生きる時、切り替えのスイッチはありますか?

中本:全然違いますね。アーティスト活動は、メイクも衣装も「自分がこうしたい」ものを突き詰め、自分の表現を正解にしていける。でも俳優業は、現場の雰囲気やチームの目標に合わせて、自分を溶け込ませていく難しさがあります。

——劇中では1980〜90年代の楽曲に合わせて踊ります。いつもと違うダンスはいかがでしたか?

中本:ダンス振付を担当されたakaneさん節が全開という感じですよね。中毒性があってコミカルで、めちゃめちゃ面白かったです。NCT 127はK-POPの中でも個性を重要視していて、その中でここぞ!という部分をそろえて、最高地点を演出することに重きをおいているんですが、今回は佐久間くんとも「akaneさんの振り付けをストレートに丁寧に揃えてやった方がダンスの味が活きるよね」という話をしました。楽曲については、聴いたことはありましたが、もちろん踊ったことはなく、とても新鮮な体験で楽しかったです。

——仲間たちとダンスを猛特訓する過程で、中本さん自身、SMエンタテインメントの練習生時代を思い出すことはありましたか? 

中本:夏の撮影だったので、自分たちの体温から出る熱気で鏡が曇ってくるんですよ。その光景を見て、「懐かしいな、練習生時代もこうだったな」と思い返しました。みんなの熱気が増すと、ダンススタジオが少し臭くなったりもするんですけど(笑)、それも「俺たちこんなに練習したんだ」という達成感につながって、逆に気分が上がりましたね。

ソロ活動で魅せる「自分の色」

——グループの看板を背負いつつも、ソロでの仕事が増える中で、自分自身の「個としての色」をより強く意識するようにはなりましたか?

中本:K-POPというフィールドにいながら、誰もやっていない独自のロックに挑戦していることにはプライドを持っていますし、僕にしかできないことだと思っています。ソロ活動を始めたのは、ほかでもない自分自身のためです。だからこそ会社に任せるだけではなくて、自分で責任を持って動いて、「自分の色」を突き詰めて発信し続けたいと思っています。

——メンバーからの反応はいかがですか?

中本:「見てるよ」と声をかけてくれます。それこそジャニーが武道館コンサートを観に来てくれたり、僕もテヨンのコンサートに行ったり。お互いをリスペクトし、それぞれ応援し合える関係です。やっぱりわざわざ時間を割いて来てくれると、すごく嬉しいですよね。

——ソロ活動は普段グループでは見せない一面だったりしますもんね。

中本:そうですね。僕のやろうとしていることを受け入れて、「そのままやってみなよ」と言ってくれるメンバーには感謝の気持ちでいっぱいです。

——普段の生活で気をつけていることはありますか?

中本:朝には絶対に乳酸菌を摂るようにしています。チームの時はちょっと体調が悪くてもメンバーに頼ることができるけど、ソロでは僕が止まればすべてが止まり、周りの人たちみんなに迷惑をかけてしまう。その緊張感は常に持っています。

K-POPという場所から
自分らしく挑戦し続ける

——俳優としての今後の展望を教えてください。

中本:まだ経験が浅いので、もっといろんな役に挑戦したいです。特に「サイコパス」のような、強烈な色がある役を演じてみたいですね。

——プライベートでこれから挑戦したいことは?

中本:今まで趣味がなかったのですが、サーフィンやスノーボードには興味があります。最近は旅行にも行き始めました。新しい環境で、新しい人と出会うことで、面白い発見があるかなと思って。

——サーフィンなど、アクティブな趣味に惹かれる理由は?

中本:ワイルドな男に憧れがあって(笑)。年齢を重ねた際には、ワイルドにヒゲを生やしてサーフィンをしているような大人になりたいですね。

——最後に、中本さんが考える自身の「スペシャルな強み」とは?

中本:僕は天才ではないので、小さなことを積み重ねていくしかないと思っています。その中で、K-POPという場所に身を置きながら、既成概念に囚われない新しいスタイルに挑戦し続けていること。それが、僕にとってのスペシャルな強みだと思っています。

PHOTOS:TAKAHIRO OTSUJI

映画「スペシャルズ」

映画「スペシャルズ」
3月6日から全国公開
出演:佐久間大介(Snow Man)
椎名桔平. 中本悠太(NCT) 青柳 翔. 小沢仁志
羽楽 前田亜季. 平川結月/矢島健一 六平直政
石橋蓮司
原案・脚本・監督:内田英治
振付:akane
音楽:小林洋平
主題歌:Snow Man「オドロウゼ!」
製作幹事:HIAN
配給:エイベックス・フィルムレーベルズ
©2026「スペシャルズ 」フィルムパートナーズ
https://eiga-specials.com/

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

“愛着”という新しいラグジュアリー  2026-27年秋冬メンズ・コレクション詳報

クワイエット・ラグジュアリーの潮流が続くメンズファッションでは、テーラードジャケットやコート、ミリタリーウエアやジーンズといったメンズワードローブのステイプル(定番)を基底に置いたスタイルが、引き続き提案の主軸。この間に目まぐるしく続いたデザイナー・シャッフルの様相に反して劇的な変化は見られないものの、デザイナーたちの思索の深層では、新たな価値転換が起こり始めています。

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。