ロレアル(L’OREAL)は21日(現地時間)、3億5000万ユーロ(約650億円)超を投じ、インドに同社初となるグローバル・テックハブを開設すると発表した。発表は、スイスで開催中の世界経済フォーラム(WEF)年次総会(ダボス会議)の場で行われた。初期投資は2030年までに実施する予定だ。
ロレアルのニコラ・イエロニムス(Nicolas Hieronimus)最高経営責任者(CEO)はダボス会議において、インド南部テランガナ州政府のドゥディラ・スリダール・バブ(Duddilla Sridhar Babu)情報技術・電子・産業担当大臣、ならびにサンジェイ・クマール(Sanjay Kumar)特別主席次官と会談した。
ロレアルは声明で、「この前例のないビューティ・テックハブは、AIを活用した次世代ビューティ・イノベーションとサービスを創出するための旗艦拠点となる。同ハブは、データ、AI、生成AI、エージェンティックAIに加え、新興テクノロジーの可能性を解き放つグローバルな中核拠点となる見込みだ」としている。
拠点はインド・テランガナ州ハイデラバードに設置され、AIスペシャリスト、テックエンジニア、データサイエンティストなど、高度な技術職を担う約2000人が従事する。主な役割は、AIを活用したソリューションを大規模かつ迅速に展開することだ。ロレアルは「このテックハブをハイデラバードに設置することで、テランガナ州におけるデジタルおよびアドテック分野の卓越性と、高度人材の育成に積極的に貢献していく」とコメントしている。
今回の発表は、26年を「インド・フランス・イノベーション・イヤー」と位置付け、両国が技術・産業分野での連携を本格化させるタイミングで行われた。
イエロニムスCEOは声明の中で、「当社は31年以上にわたり、インドに深くコミットしてきた。このレガシーを基盤に、世界トップクラスの技術力とAIエンジニアリングの専門性を活用し、新たなグローバル・テックハブを構築する」と説明。さらに、「ビューティの未来は、サイエンス、テクノロジー、そしてクリエイティビティの交差点にあると私たちは信じている。ハイデラバードは今後、ロレアルのAIおよびデジタル戦略の中核を担う存在となるだろう。この唯一無二のビューティ・テックハブは、インドの成長へのコミットメント、そして26年のインド・フランス・イノベーション・イヤーにおける当社のリーダーシップを改めて示すものだ」と続けた。
テランガナ州のスリダール・バブ大臣は、「ロレアルがハイデラバードに新たなグローバル・テックハブを設立する決定は、テランガナ州が世界をリードするイノベーションを引き付ける力を持っていることの力強い証左だ」と評価。「この協業は、州政府が掲げる『テランガナ・ライジング:2047ビジョン』を体現するものであり、世界的企業が卓越した地域人材と共に次世代テクノロジーを共創する未来像を示している。ビューティと最先端のAI、データ、エンジニアリングを融合させることで、ロレアルは業界の未来を形づくるだけでなく、当州がデジタル卓越性とイノベーション主導の成長を遂げる道のりにも貢献している」と述べた。
また、クマール特別主席次官は、「テランガナ州は、政府、産業、社会全体でAI導入を加速させる明確かつ戦略的な取り組みを進めている」と説明。「ロレアルのグローバル・テックハブ設立は、新設されたテランガナAIハブの構想と完全に一致する。このAIハブは、応用AI、高度なデータエンジニアリング、次世代デジタル機能の触媒となることを目的としている。これらの取り組みにより、ハイデラバードは最先端のAIイノベーションが創出され、世界規模で展開されるグローバル拠点としての地位をさらに強固なものにする」と語った。