ビューティ

ユニリーバのCVC、インド発ビューティブランド2社へ出資 CEO「米国とインドでの成長を最優先」

英消費財大手ユニリーバ(UNILEVER)が運営するCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)のユニリーバ・ベンチャーズ(UNILEVER VENTURES)は、インドにおけるビューティ分野への投資を強化している。インド発のクリーンビューティ系のインディーズ・フレグランスブランド「シークレット アルケミスト(SECRET ALCHEMIST)」のシードラウンドを主導したほか、同じくインドのラグジュアリースキンケアブランド「スキンインスパイアード(SKININSPIRED)」が実施したシリーズAラウンドにも参加している。

ウェルネス発のクリーンフレグランスブランド、
300万ドルの資金を調達

フレグランスブランド「シークレット アルケミスト」が実施したシードラウンドは、ユニリーバ・ベンチャーズが主導し、インドと東南アジアを中心に新興消費財ブランドを支援するベンチャーキャピタルファンド、DSGコンシューマー・パートナーズ(DSG CONSUMER PARTNERS)が参加。「シークレット アルケミスト」は300万ドル(約4億6800万円)の資金を調達した。調達した資金は、ブランドポートフォリオの拡充、処方および研究開発(R&D)機能の強化、さらには経営陣およびチーム体制の構築に充てられる予定。また、「シークレット アルケミスト」は声明で、「インド発のブランドとしての立ち位置を維持しつつ、グローバル展開を視野に入れ、プレゼンスと流通網の拡大に投資していく」と述べている。

「シークレット アルケミスト」は、アンキタ・タダニ(Ankita Thadani)、アカシュ・ヴァリア(Akash Valia)、サマンサ・ルス・プラブ(Samantha Ruth Prabhu)の3人により2022年に設立された。アロマセラピーと精油をベースに、当初は症状別のウェルネスソリューションからスタートしたが、現在はアロマセラピーとモダン・パフューマリーを融合したフレグランスを主軸とするブランドへと進化している。ウェルネス、香り、自己表現をつなぐ存在として位置付けられている。

「シークレット アルケミスト」創設者の一人であるタダニ氏は、「世界的に見て、“クリーン”であることはビューティおよびパーソナルケアにおける基本条件となっており、フレグランスも自然にその方向へ向かっている。『シークレット アルケミスト』では、成分主導で、処方に優れ、品質に一切妥協しない香水づくりに注力している。私たちはインドでいち早く、香水における全成分およびアレルゲン情報を公開してきた。私たちにとってクリーンとは、正直であることを意味する。この資金調達により、その信念に沿ったかたちで製品イノベーションを深化させ、R&D体制をさらに強化することができる」と述べている。

クリーンフレグランスは新スタンダード、
インド市場に成長余地

ユニリーバ・ベンチャーズのパワン・チャトゥルヴェディ(Pawan Chaturvedi)=アジア統括責任者兼パートナーは声明で、「クリーンビューティはすでに世界の化粧品業界において標準となっている。フレグランスも同じ道筋をたどり始めている。『シークレット アルケミスト』は、インドにおけるこの新興カテゴリーをリードするポジションにいる」と語った。

DSGコンシューマー・パートナーズのハリハラン・プレムクマール(Hariharan Premkumar)=マネージング・ディレクター兼インド責任者は、「私たちは長年、クリーンフレグランスの可能性を信じてきた。『シークレット アルケミスト』の創業チームは卓越した製品開発力を持つ。彼らは、手ごろな価格帯で高品質なフレグランスを生み出している」とコメント。さらに、「このブランドは、単に名前を貸すだけでなく、実際に製品を使い込み、開発にも深く関与するセレブリティー創業者に支えられている。インドにおけるフレグランス市場はまだ浸透率が低く、私たちはこのブランドとカテゴリーの長期的な成長ポテンシャルを非常に有望だと見ている」と述べた。

ラグジュアリースキンケア分野の
新興ブランドにも資本参加

インド発のラグジュアリースキンケアブランド「スキンインスパイアード(SKININSPIRED)」が実施したシリーズAラウンドは、インドの化粧品会社ロータス・ハーバルズ(LOTUS HERBALS)の投資部門であるロータス・イノベーション・ファンド(LOTUS INNOVATION FUND)、さらにインドを拠点とするベンチャーキャピタルファンドのスプリング・マーケティング・キャピタル(SPRING MAEKETING CAPITAL)が主導したもので、ユニリーバ・ベンチャーズも参加している。これによる「スキンインスパイアード」の資金調達額は、約290万ドル(約4億3000万円)と報じられている。

ロータス・ハーバルズはビジネス特化型SNS「リンクトイン(LinkedIn)」の投稿で、「スキンインスパイアード」について、「差別化された研究主導型の製品アプローチと、インドの消費者に合わせた高性能スキンケアを提供する明確なコミットメントを持つ」と称賛。「インドのビューティおよびパーソナルケア市場におけるリーダーシップは、差別化されたイノベーション、実証された科学的応用、そしてスケーラブルなブランド構築によってもたらされると、私たちは強く信じている」としている。

ユニリーバCEO
「成長市場としてインドを重視」

戦略的投資家は、ビューティ分野の次なるフロンティアとして、インドへの注目を一段と強めている。昨年初めには、ユニリーバのインド法人であるヒンドゥスタン・ユニリーバ(HINDUSTAN UNILEVER)が、インド発のプレミアムビューティブランド「ミニマリスト(MINIMALIST)」を買収すると発表した。

ユニリーバのフェルナンド・フェルナンデス(Fernando Fernandez)最高経営責任者(CEO)は、昨年10月23日に行われた2025年第3四半期決算に関するアナリストおよび記者向け説明会で、ビューティとウェルネスへの注力方針を改めて強調し、特に2つの主要市場に重点を置くと述べた。「私たちは将来を見据えたブランドポートフォリオを構築している。ビューティ、ウェルビーイング、パーソナルケアの比重を高め、米国とインドでの成長を最優先している」と述べていた。

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