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P&GのCEOが来年頭で交代 トランプ関税の影響を1480億円と見込む

SK-II」や「ジレット(GILLETTE)」「パンパース(PAMPERS)」「アリエール(ARIEL)」などを擁する消費財大手プロクター・アンド・ギャンブル(PROCTER & GAMBLE以下、P&G)は、シャイレシュ・ジェジュリカール(Shailesh Jejurikar)最高執行責任者(COO)が2026年1月1日付で社長兼最高経営責任者(CEO)に就任すると発表した。ジョン・メラー(Jon Moeller)現CEOは同日付で会長職に就く。

ジェジュリカールCOOは1989年にP&Gに入社し、2014年からはグローバル・リーダーシップ・チームの一員として要職を歴任してきた。同氏は、「人材やブランド、イノベーションと業務効率における当社の強みにより、持続的な成長と価値創造を実現する自信がある」と語る。

一方でメラーCEOは、「CEOを務められたのは大変光栄であり、統合された戦略を高いレベルで遂行することにより、社員が生み出した価値を誇りに思う。今後はシャイレシュやチーム全体を支え、P&Gのブランドやカテゴリーのパフォーマンスと価値をさらに高め、世界中の消費者や取引先との関係強化に貢献したい」とコメントした。

関税により約1480億円のコスト増を見込む

同社は、ドナルド・トランプ(Donald Trump)米大統領による関税の影響を受ける中で価格改定を進めており、販売製品の約4分の1で値上げを予定している。メラーCEOは決算説明会で、「26年度は、関税だけで1株当たりの利益を5%押し下げる要因となり得る。影響を緩和するために、調達の柔軟性や生産性の向上、影響を受けそうなカテゴリーや市場における戦略的な価格設定を講じていく」と語った。

同社は、トランプ関税の影響は約10億ドル(約1480億円)のコスト増につながるとしている。主に影響を受けるのは、3点。中国から調達する原材料や輸入する製品に課される関税で約2億ドル(約296億円)、カナダへの輸出に伴う関税で約2億ドル(約296億円)、その他さまざまな国から米国に輸入する製品への関税で約6億ドル(約888億円)と見積もっている。

2025年度は増収増益を達成

25年度第4四半期(4〜6月)の売上高は前年同期比2%増の209億ドル(約3兆932億円)で、アナリストらの予想をわずかに上回った。為替やM&Aの影響を除いたオーガニック売上高も2%増となった。希薄化後1株当たり利益は同17%増の1.48ドル(約219円)と、アナリスト予想の1.42ドル(約210円)を上回った。

カテゴリー別の通期決算では、ビューティ事業のオーガニック売上高が前期比1%増、ヘアケアは中南米や欧州での成長が北米および中華圏での減少に相殺され横バイだった。パーソナルケアは1ケタ台前半の成長、スキンケアは横バイ、グルーミングは同1%増となった。

メラーCEOは、「変化が激しく不安定な環境下でも、25年度には売上高と利益の双方が伸び、多くの現金を株主に還元できた。26年度も売上高と株価の成長、そして高水準のフリーキャッシュフローの創出に注力する」と締めくくった。

本文中の円換算レート:1ドル=約148円

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