ファッション

「モンクレール」躍進の理由

 「モンクレール(MONCLER)」は10月24日、東京・銀座2丁目に日本2店舗目となる旗艦店をオープンした。2層構造で店舗面積560平方メートルのフロアには、「モンクレール」の全ラインがそろう。日本における「モンクレール」のビジネスは数年来絶好調で、旗艦1号店の青山店や伊勢丹新宿店の年間売上高は、それぞれ10億円前後(弊紙推定)。フロア面積や立地から考えても、銀座店の売り上げが両店を大きく上回るのは必至だ。オープンに際して同店は、ロサンゼルス出身の新進アーティストデュオ、フレンズウィズユー(FriendsWithYou)とコラボレーション。ポップなアイコンを描いたダウンジャケットやスエット、バッグ、スニーカーを、24・25日のたった2日間だけ発売した。このコレクションは、世界の「モンクレール」直営店では2016-17年秋冬以降の発売を予定している。また、オープン当日はフレンズウィズユーのサイン会の他、テリー・リチャードソン(Terry Richardson)によるライブシューティング、MIYAVIによるライブなどで終日盛り上がった。

ルッフィーニ会長が語る「モンクレール」ビジネス

 日本の売り上げは、イタリアに次ぐ世界第2位で全体の15%程度に相当する。そんな国に、日本人にも、海外からの旅行客にも「モンクレール」の全てを体感できる店舗を持つことができてうれしく思う。知名度のおかげだろう。日本でのビジネスは私がトップに立った当初から好調で、その調子は今も続いている。特に伊勢丹新宿店には、「もっと大きなスペースを割いてもらわなければ困る」と伝えたばかりだ(笑)。海外ビジネスも、引き続き順調だ。株式公開(IPO)の前に「未開拓ゆえ注力する」と話したアメリカは、ヒューストンやラスベガス、アトランタ、サンフランシスコなどショップオープンが続いているし、ニューヨークのマディソン街にはフラッグシップストアを設ける予定で物件探しが進んでいる。他のブランドは苦戦しているようだがヨーロッパや中国市場も順調だ。日本人の海外旅行が減ったように、為替は常にビジネスに影響する注視すべき問題だ。しかし、人は世界中で買い物をする。為替の影響で、ある国が高くなったら、別の国で買うだろう。そのためにも、世界の一等地に直営店を設け続けている。

 ブランドのコアカテゴリーがダウンなのは、昔も今も、将来も変わることはないだろう。それが「モンクレール」を「モンクレール」たらしめている。ダウンの売り上げ構成比は、今もまだ80%。他のアイテムが売れているから70%くらいまで下がるかもしれないが、それ以下にはならない。それが理想的なバランスだと思っている。すでに大勢が「モンクレール」のダウンを持っているが、われわれが提供するコレクションは、90%がシーズナル。そして今回は、たった2日しか販売しないコレクションを発表した。重要なのは、どれだけエモーショナルに買い物してもらえるか、だ。特に業界関係者以外にダウンを買ってもらうには、高揚してもらうことが大事。スペシャル・コレクションのために外観も内装も変えた今回の取り組みは、まさにエモーショナルな買い物体験の究極の形だ。

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