八木通商は、ミラノオフィス開設40周年を記念して2012年から進めてきたローマに現存する唯一のピラミッドの修復支援を完了した。20日にはローマ市長をはじめ日本とイタリアを中心に250人を招き、完成記念式典とパーティを開いた。
ローマ市内に立つケスティウス・ピラミッドは、紀元前18年から12年の間にガイウス・ケスティウス・エプロの墓として建てられた歴史的建造物。当時のローマ帝国では富裕層によるピラミッド建設が流行したが、現在も残っているのはこのピラミッドだけ。八木通商は、200万ユーロ(約2億5600万円)を寄付し、スモッグや大気汚染で汚れた高さ36.4メートルの同ピラミッドを修復し、大理石は建設当時の色である白を取り戻した。
20日にローマで開かれた完成記念式典には、イニャツィオ・マリーノ=ローマ市長をはじめ、ウンベルト・ヴァッターニ日伊財団会長、マリアロザリオ・バルベーラ=ローマ市考古学文化財特別監督局監督官などイタリアの政府関係者に加え、日本からは百貨店やセレクトショップのトップが多数参加。テープカットには設楽洋ビームス社長が立ち会った。
同日夜には映画「ローマの休日」のラストシーンで知られるコロンナ宮殿で盛大なパーティーを開催。裏千家師範による"ティーセレモニー"やオペラでもてなし、八木通商のビジネスパートナーであるレモ・ルッフィーニ=モンクレール社長や梅本和義・駐イタリア日本国大使などが挨拶をした。
いつものように白いスーツで挨拶に立った八木雄三・八木通商社長は「1971年にイタリア支社を立ち上げた時には、今晩のように多くのゲストを迎えることができるようになるとは想像していなかった。弊社の成長に最も寄与してくれたのがこの国、イタリア。イタリアに感謝の意を表すために何かしたいと考えたどり着いたのがピラミッド修復だった。古代ローマからの本来の白い輝きを取り戻せて嬉しい」などと謝辞を述べた。