「カルティエ(CARTIER)」が大阪万博に出展した「ウーマンズ パビリオン in collaboration with Cartier」は、は、万博のテーマ「いのち輝く未来社会のデザイン」に寄り添い、「ともに生き、ともに輝く未来へ」コンセプトに変革する力とより良い未来を形作る上での女性のポテンシャルを讃える。永山祐子の建築による約1700平方メートルのパビリオンは、2フロア構成。2020年ドバイ万博の日本館で採用した、伝統的な木工技術の組子に着想を得たファサードを再利用した。
パビリオンをキュレートしたエズ・デヴリン(Es Devlin)は、万博を「ユニークな楽器のコレクション。各パビリオンがさまざまな楽器として、世界という舞台で6カ月にわたりメッセージを発信する場」と捉え、ウーマンズ パビリオンではジェンダー平等に関する視点の転換を追求。最初の「スリー ウィメン」では、小説家の吉本ばななら国籍も年齢も異なる3人の女性が、映画監督の河瀬直美によるショートフィルムを通して語りかける。続く「スリー パスウェイズ」では、3人のうち1人の女性が歩んできた人生を追体験することで、幅広い普遍的な世界の問題への思考を促す。
その先では、女性のリーダーシップや持続的社会を学ぶ「パズル ボックス」や、黒柳徹子をはじめ多様なロールモデルのさまざまなメッセージを受け取る「ユア ハンド」などの部屋が続く。
また2Fのホールでは期間中、150以上のイベントを開催予定。「大いなる地球」「ビジネスとテクノロジー」「教育と政策」「芸術と文化」「フィランソロピー」「役割とアイデンティティ」という6つのテーマについて講演会やパネルディスカッション、展示を通じて意見を交わす。このフロアには、永山祐子のビジョン「自然、人、資源が相互(そうご)に関連し合うサイクル」を象徴する、四季を描写した庭園を構えた。
同パビリオンの制服は、「サカイ」の阿部千登勢デザイナー兼クリエイティブディレクターが手掛けている。