「WWDBEAUTY」で毎月のコスメ・スキンケア売り上げランキング「ヒットランキング」を担当しているが、今回はスピンオフ企画!リクルートが発行する「美容センサス 2024 年下期≪美容医療編≫」によれば、1年以内の美容医療の利用率は女性12.0%(前年比0.8ポイント増)、男性7.8%(前年比増減なし)と、ここ5年間緩やかな増加傾向にある。また23年と比較すると30代女性、15~19歳の男性がほかの年代に比べて大きく増加している。都内の人気クリニック7院に24年(1月1日~12月6日時点)に一番人気だった施術とその背景を聞いた。
1.「ミニマム スキン クリニック(MINIMUM SKIN CLINIC)」
“ピコトーニング 全顔”(1回、4900円~)+“ケアシス-S ペップビュー 全顔”(1回、7920円~)
ピコトーニングはピコ秒で照射されるレーザーを照射することでメラニンを減少させ、シミやくすみ、色ムラ、肝斑を改善する治療法。ケアシス-Sは、「クライオエレクトロポレーション」というマシンで薬剤を真皮中層まで導入。薬剤のペップビューには、細胞の成長を促す「成長因子(グロースファクター)」が含まれるため、皮膚自体の細胞や組織の再生力・自己回復力を促進し、ハリと潤いのある肌へと導く。ほかの施術後に受けることで肌を鎮静化させ、回復を促す効果も期待できる。
「ピコトーニングはシミやくすみ、毛穴の開きが気になる人、美白や肌質改善を希望する顧客に支持されている。ダウンタイムがほとんどなく、施術後すぐにメイクができるので『仕事や予定があっても安心』という声が多い。当院の1年通い放題メニューが業界最安水準として口コミを通じて話題になり、ピコトーニング目当てで来院する人も多い。『ケアシス-S』は施術直後の肌の質感に感動する人がとても多く、リピーターが多い」(我喜屋璃香・ミニマムスキンクリニック看護師)
■銀座院、他1院
東京都中央区銀座7-8-13 ブラウンプレイス 6F
2.「ウォブクリニック(WOVE CLINIC)」
“ニードルRF(ポテンツァ)”(3万3000円)
高周波(RF)治療とマイクロニードル治療を組み合わせた治療法。複数のチップを悩みに合わせて使い分け、肝斑や毛穴、ニキビ痕、たるみ、小ジワなどの改善にアプローチする。
「基底膜の再構築によってメラノサイトの活性化を抑えることで、くすみや肝斑を改善。当院の顧客は肝斑に悩んでいる人が多い。肝斑の性質上、根本解決は難しいがその選択肢となりうるため支持された」(髙瀬聡子・ウォブクリニック中目黒 総院長)
■東京都目黒区中目黒1-10-23
3.「共立美容外科」
“二重埋没(共立式P-PL挙筋法ベーシック)”(両目、6万6000円/片目、4万6200円)
点(Point)と点(Point)を結んで二重の線(Line)を形成する線留めの手術法で、自然な二重のラインが長続きする。痛みや腫れが少ないと言われているまぶたの"挙筋(きょきん)”という場所に糸をかけ、超極細の麻酔針を使用するため「痛みをほとんど感じない」との声も。
「来院のきっかけを顧客に聞いてみると、『InstagramやTikTokで二重にできることを知った』など近年のSNS普及により、二重整形が身近なものになったことが要因の1つだと考えられる。また、以前当院で美容整形に関する意識調査を15歳〜25歳の男女150人に行った際に、整形をカミングアウトしているという割合は77.8%というデータもある。十数年前は美容整形をしていることを隠すような風潮があったが、今では比較的オープンになっている印象だ」(久次米秋人・共立美容外科理事長)
■新宿本院、他全国26院
東京都渋谷区代々木2-9-2 久保ビル7F
4.「銀座ケイスキンクリニック」
“ヒアルロン酸注入”(初回トライアル1本1mL、7万5000円/慶田院長施術・初回トライアル1本1mL、9万5000円)
ヒアルロン酸注入はシワやたるみ、ボリュームの減少といった加齢症状の改善、額や唇、顎などのパーツを魅力的に整えるなど汎用性が高い施術。長期的には注入したヒアルロン酸が周りの細胞を刺激してコラーゲンを増やすので、老化予防効果も期待できる。
「昨今ヒアルロン酸の過剰注入による不自然さが世界的な問題になっている一方で、気付かれないようにナチュラルな仕上がりを希望する人も増えている。私は、ガルデルマ社認定ヒアルロン酸注入技術指導医かつ、日本で2人しかいないガルデルマ社ファカルティメンバーだ。当院では、注入直後の仕上がりがよいのは当然のこと。5年後10年後20年後 の未来を見据えた戦略的な施術を行っている。そのためには1.正しい製材の選択、2.正確なテクニック、3.控えめな量での注入が欠かせない。他院での失敗やトラブルになった症例を修正した経験も多い。施術を受けた患者からは『注入したことを誰にも気付かれないが、最近キレイと言われる』や『先生から注入してもらったヒアルロン酸が本当に長持ちする!』といった評価をいただいている。また施術できる医師が少ない『肘』や『手背』への注入も、指名の多い部位だ」(慶田朋子・銀座ケイスキンクリニック院長)
■東京都中央区銀座1-3-3 G-1ビル5F、6F
5.「アヴェニュークリニック(AVENUE CLINIC)」
“ボルニューマ”(400ショット、9万9000円)+“ウルトラフォーマーⅢ”(全顔、7万7000円)のコンビネーションたるみ治療、通称“ボルフォーマー”
“ボルニューマ”は高周波で真皮から脂肪層と広範囲に熱を加えることで、コラーゲンの生成を促し、肌のハリや弾力をアップさせ、緩んだ肌の引き締めとたるみ改善の効果が期待できる。“ウルトラフォーマー”は超音波で肌の土台・SMAS筋膜に熱を与え、たるみを引き上げる。引き締め×引き上げの相乗効果が期待でき、特に口横のもたつきや顎下のたるみに効果的だ。さらにコラーゲン生成が促進されるので、肌質改善にも。
「ダウンタイムが少なく、自身の骨格に沿った引き締め・引き上げの効果実感が人気の理由ではないか。男女問わず、口横のポニョっとした箇所や、顎下、フェイスラインのたるみをどうにかしたいという相談を受けることが非常に多い。また、最近では20代から予防目的でたるみ治療を受けられる人も増えてきていて、人気の一因ではないか」(寺島洋一・アヴェニュー六本木クリニック院長)
■六本木院、他1院
東京都港区六本木7-14-7 トリニティビル5F
6.「聖心美容クリニック」
“プレミアムPRP皮膚再生療法(以下、PRP)”(ほうれい線・目のくま・こめかみなど、各両側32万5600円)
聖心美容クリニック独自の施術で、再生医療を美容医療に応用。自身の血液を採取し、特殊な方法で血液を分離させ、成長因子を多く含んだPRPを抽出する。脂肪組織&コラーゲン増殖、ほうれい線、目のくま、シワ、くぼみ、たるみなど加齢による幅広い悩みにアプローチし、美白&美肌など肌質改善にも。顔のほか、首の横ジワ、手の甲など、ヒアルロン酸注入では改善が難しい部位にも対応できる。
「体への負担やダウンタイムも少なく、自然にエイジングケアできる点で支持されている。24年は全院で延べ6000人以上の顧客を治療した。国内だけでなく欧米やアジアからも顧客が訪れている。効果が数年間と長期持続するため、コストパフォーマンスを気にする人にも人気が高い。PRPを施術するクリニックは多いが、技術力には違いがある。当院のPRP技術をまとめた論文が、形成&美容外科で最も権威のある学術誌『PRS』で最優秀をいただいたこともクリニック選択理由の1つになっているようだ」(小林 美幸・聖心美容クリニック 美容皮膚科指導責任者・熱海院院長)
■六本木院、他全国11院
東京都港区六本木6-6-9 ピラミデビル2F
7.「シロノクリニック(SHIRONO CLINIC)」
“ウルトラWリフト”(顔全体1回、51万7000円)
“マシンウルセラ”と“サーマクール”を組み合わせた、メスを使わないリフトアップ治療。ウルセラは、超音波の熱エネルギーを用いて、皮膚を支える表在性筋膜(SMAS)へ働きかけ、本格的なリフトアップ効果を発揮。サーマクールは、高周波を与えることで、コラーゲン組織が産生・増殖され、たるみやシワの改善に寄与する。
「メスを使った外科手術はしたくないが、リフトアップをしたいという顧客に好評だ。当院は02年にサーマクールを日本初導入して以来、最多症例を2年連続で受賞している。またウルセラの国内最多施術クリニックとして、ウルセラの発売メーカーであるメルツ(MERZ)社から6年連続で表彰を受けており、海外から来院する顧客も多い」(佐藤美・シロノクリニック恵比寿副院長)
■恵比寿院、他6院
東京都渋谷区広尾1-1-40 恵比寿プライムスクエアプラザ 2F