百貨店の2月度売上高は、春節(旧正月)によるインバウンド消費がけん引し、主要5社が前年同月の実績を上回った。都心店は中国人観光客の旺盛な消費の恩恵が顕著だった。中でも銀座三越は前年同月比124.6%で、免税売上高の比率は過去最高だった昨年10月を10ポイント上回る25%。昨年2月は消費税増税前で、時計・宝飾品やラグジュアリー・ブランドの駆け込み消費が相次いだため、当月は反動減が懸念されていたが、都心店に関してはインバウンド特需がこれを払しょくした。
主要5社では三越伊勢丹が同107.0%、大丸松坂屋百貨店が同102.5%、高島屋が同100.6%、そごう・西武が同102.6%、阪急阪神百貨店が同101.1%だった。地方店は苦戦が目立ったものの、都心店がその落ち込みをカバーした。大丸松坂屋百貨店では、中国人客の多い大丸心斎橋店が同111.5%、大丸梅田店が同107.9%、東南アジアからの来客が増えた大丸札幌店が同113.4%だった。同社の広報は「昨年2月は増税前の駆け込みで時計(前年同月比)159.4%、化粧品116.5%、特選119.6%だったためハードルは非常に高かった。だが終わってみれば、今年2月も時計130.6%、化粧品112.5%、特選119.6%。インバウンドによる特需はもちろん、国内の富裕層の消費も安定している」と話す。