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百貨店の松屋が「人材育成事業」 デザインの素養あるビジネスリーダーを育てる

百貨店の松屋が人材育成事業を4月にスタートする。 “デザインの松屋”を掲げる同社のデザイナーとのネットワーク、銀座の一等地に本店を構える“場”の価値を掛け合わせ、デザイン感度を持ち合わせたモノ作り産業のリーダーを養成する。事業名は「フラッグ(FLAG)」。“Future Leaders Academy in Ginza”のアルファベットの頭文字を組み合わせて名付けた。

第一期講座は4月13日から11月2日にかけて全33回実施し、学費は60万5000円。募集人員は計30人程度を想定する。農業、林業などの伝統産業の従事者から小売、メディア、デザイン、デジタル、マーケティングに携わる人まで、2年以上の実務経験者が募集対象。カリキュラムの核になるのは、日本を代表するデザイナー陣による「クリエイティブシンキング」のタームだ。松屋と協働する日本デザインコミッティーに属する、日本を代表するデザイナーや建築家、評論家がレクチャーする。

「事業創造におけるデザイン活用」のタームでは同コミッティー理事長でTakram代表取締役・デザインエンジニアの田川欣也氏が登壇。デザインを活用した課題解決や価値創出について手ほどきする。受講者によるグループワークも行う。講座を通じて生まれたアイデアは、松屋が蓄積する販売データや百貨店の売り場をテストマーケティングに活用することで、実践につなげる。

後継者不足のモノ作り産業を活性化

松屋の収益源は基本的に受講料のみだが、古屋毅彦社長は「回り回って、われわれ百貨店の未来を作っていくような取り組みになる」と話す。人材育成事業立ち上げの目的は、後継者不足が顕在化する日本のモノ作り産業の活性化にある。松屋銀座本店の売り上げのインバウンド比率は3、4割。「私たちの百貨店には、日本のすばらしいモノの価値を、海外のお客さまに見せるショーケースとしての役割がある。日本のモノ作りの元気がなくなれば、自分たちの首を絞めることにもなる。海外のハイブランドばかりと取り引きしていていいはずがない」「これまでの商品を仕入れて売る百貨店の枠組みを超えて、モノ作り産業をリードする人材を育てていきたい」。

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