ファッション

「ウィズ リミテッド」2015-16年秋冬東京  アーカイブの再構築で示した 消費されないストリートカルチャー

 今年ブランド15周年を迎えた「ウィズ リミテッド」は、客席の前に大きな金網がそびえ立ち、その間から覗くような演出でコレクションを発表した。突然、耳を突くようなノイズ音でショーはスタート。細みのテーラードスーツの上からスタジャンを羽織ったり、GジャンとMA-1をミックスしたブルゾンが登場したりなど、テーラードからワーク、ミリタリー、スケートカルチャーなどのさまざまな要素を雑多に混在させた。テーマは「Light Here」。

 スタイリングの要は、大ぶりなポンチョやストール、パンツなどに落とし込んだネイティブ・アメリカンの柄。これらがテイストの異なるアイテム同士のつなぎ目となり、コレクション全体に連動感を持たせている。

 モデルが登場し終わると、映画のエンドロールのように15年間のシーズンテーマを会場に投影した。そこでショーは終了かと思いきや、オリジナルのモノグラム柄で作ったヘッドギアを付けたモデルが、新たなアイテムを身につけて一斉に登場し、一瞬で去っていった。

 実は、序盤で登場したコレクションは過去15年間のアーカイブをスタイリングし直したもので、ラストに登場したコレクションが今季の新作。大どんでん返しのショーで、観客の意表を突いた。その意図について下野宏明デザイナーは「コレクションを作るときにトレンドは意識していない。15年前の昔のアイテムでも今っぽくスタイリングすることで、消費されないストリートカルチャーを示したかった」と語った。

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