ビューティ

「メルカリ」US版がAIショッピングアシスタントを超速で開発できた理由 米CEOが語る

メルカリのグループ企業メルカリ・インク(以下、米メルカリ)は4月、AIチャットボット「チャットGPT」に基づく対話型ショッピングアシスタント「メルチャットAI」のベータ版をUS版「メルカリ」に導入した。ユーザーは「メルチャットAI」と会話することで、出品されている何百万もの商品の中から、入手困難な収集品を探したり、ギフトやトレンドに合ったアイテムの提案やアパレルやホームグッズのスタイリングのヒントが瞬時に得られるようになった。

「私たちの扱うアイテムは非常に幅広く、これまでの検索機能では、ユーザーが各カテゴリーに隠れている“宝物”を見つけるには足りないと感じていた」と米メルカリのジョン・ラガーリング最高経営責任者(CEO)。「ずっとAIの発展を追ってきたが、この数カ月で大規模言語モデル(LLM)が期待値レベルに達してきた。これこそ“宝探し”の手助けになると感じた」と語る。

LLMは、自然言語(普段の話し言葉)を処理し、AIや機械学習モデルの訓練と改良を行う膨大なデータセットを含むモデルで、より洗練されたシステムへとはるかに速く進化させることができる。

グーグル出身で17年にメルカリに入社したラガーリングCEOは、高度な小売りAIの登場に備えるべく、過去2年間、データを整理しながら、テクノロジーが十分に優れたものになるのを待っていたという。そして、オープンAIが3月に「チャットGPT」の開発ツールGPT-4を公開したときに、US版「メルカリ」のデータを迅速に接続し、わずか2週間でボットを作り上げた。

しかし、ラガーリング CEOは「今回はベータ版であり、公式の導入ではない」と強調する。「メルチャットAI」はウェブ上で利用できるが、モバイルアプリでは利用できず、保存や過去のチャットをお気に入りにするなどの機能は提供していない。「『チャットGPT』自体がまだ完璧ではなく、不正確な推奨や予期しない振る舞いをする可能性がある。私たちは物事を提供する前に完璧を求める傾向があるが、GPT-4は十分に魔法のようなものだと感じ、トライすることを決めた」。

米国では同時期にスナップチャット(Snapchat)がメッセージボックスに「チャットGPT」をベースにしたチャットボット「マイAI」をユーザーの承諾なしに追加した結果、1つ星のレビューが殺到した。

US版「メルカリ」は5000万以上のダウンロードと1日あたり35万件以上の新規出品があるという。「メルチャットAI」が本格導入されれば、転バイヤーを含め、さらなるユーザー拡大が見込めそうだ。

関連タグの最新記事

最新号紹介

WWDJAPAN Weekly

HOSOO特集 日本文化の基層を成す絹と大麻から未来の産業をつくる

「WWDJAPAN」7月13日発売号は、京都・西陣織の老舗HOSOO特集です。「More than Textile」を掲げ、織物の可能性を拡張し、人々がまだ見たことのない西陣織の美を追求しているHOSOO。その探究の中で出合ったのが、江戸時代の絹(シルク)や大麻(ヘンプ)で織られた着物でした。その品質を現代に再現し、さらに超えることを目指し、絹、大麻ともに日本の在来種を用いて、原料生産から取り組む…

詳細/購入はこちら

CONNECT WITH US モーニングダイジェスト
最新の業界ニュースを毎朝解説

前日のダイジェスト、読むべき業界ニュースを記者が選定し、解説を添えて毎朝お届けします(月曜〜金曜の平日配信、祝日・年末年始を除く)。 記事のアクセスランキングや週刊誌「WWDJAPAN Weekly」最新号も確認できます。

ご登録いただくと弊社のプライバシーポリシーに同意したことになります。 This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

メルマガ会員の登録が完了しました。