ファッション

2022年春夏デビューの「コルニエ」 消費者も素材メーカーもブランドも「みんな幸せ」な関係性とは?

 2022年春夏にデビューした新ブランド「コルニエ(CORNIER)」は6月3〜19日に、ポップアップイベントを東京・大阪・名古屋で順次開催する。

 同ブランドのコンセプトは、「日本の産地が世界に誇る、最高級素材と独自の加工技術を手に取りやすい価格で」。通常アパレルメーカーの原価率は約3割が平均とされているが、「コルニエ」では50〜60%に設定し、高品質なアイテムを手に取りやすい価格で提供することを目指している。

 シンプルで上質なデイリーウエアは、素材に最高級のシルクやカシミヤ、和紙、繊細なスーパー120のウール、希少な超長綿のスビンコットンなどを採用。奄美大島で職人が一点ずつ手作業で泥染めしたジャケットや、京都の工房で墨染めしたTシャツ、製織が非常に難しい弱撚の和紙パンツなど、日本の伝統的な織りや加工、縫製にこだわる。

 デザイナーの西村林太郎は、大学在学中から独学でパターンや縫製を習得した異色の経歴の持ち主。大学卒業後、繊維商社や尾州の素材メーカーで経験を積んできた。ブランド始動の経緯について「国内の素材産地は、60~70代でも若手という悲惨な状況にある。世界最高峰の素材をどうしたら継承できるか?という想いが立ち上げのきっかけとなった」と話す。

 高い原価率はメーカーへのシワ寄せが懸念されるが「素材メーカーには、値段交渉は一切していない。売りたい値段で売り、しっかりともうけてもらう代わりに、最高の素材だけを提供してもらっている。消費者の手の届きやすい価格で、一定数を売ることができれば、僕らは利益率が低くても、ビジネスが成り立つ体制を構築中だ。誰か一人が得をするのではなく、消費者、生産者、ブランド、みんながメリットを享受し合えるようなブランドになれれば」と続ける。多くのアイテムで、数量限定生産やプレオーダー制を設けており、衣料廃棄を出さないサステナブルな仕組みづくりにも注力する。

 ポップアップイベントが6月に開催される。6月3~5日に東京・表参道のGUM表参道、6月10~12日に大阪・中崎町のシロイロ ギャラリー、6月18~19日に名古屋・大須のルームクリム ナゴヤで開催。22年春夏アイテムをラインアップする。

問い合わせ先
MALLOW
mailto:info@cornier-factory.com