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「無印良品」コロナ禍の新常態は「追い風」 21年8月期は過去最高業績へ

 「無印良品」を運営する良品計画の2020年8月期連結業績(決算期変更のため6カ月間の変則決算。19年3~8月との比較)は、売上高に相当する営業収益が17.1%減の1793億円、営業利益が95.8%減の8億7200万円、最終損益は169億円の赤字(132億円の黒字)だった。減収は09年度以来11期ぶり、最終赤字は01年度以来19期ぶり。6月以降は日本や中国などで好調に推移していることを鑑み、21年8月期は営業収益、営業利益ともに過去最高を見込む。

 コロナ禍による休業が響き、3~5月期は98年の上場以来初の営業赤字を計上していたが、6月以降「特に日本、中国本土、台湾、タイでは大きく売り上げが回復した」(松﨑曉社長)ことで、通期では営業黒字となった。最終赤字は欧米の不採算店舗の撤退や、国内都心店や飲食店舗の売り上げ減により142億円の減損損失を計上したことによる。特別損失としては計186億円を計上した。

 21年8月期は、営業収益で同21.4%増の4876億円、営業利益で同195.4%増の492億円の過去最高業績を想定。「コロナ禍により景気は悪化している」が、それによって「われわれには追い風が吹いている」と見る。「消費は実需に移っている。こういう時こそ、われわれがより買い求めやすい価格で皆さまのお役に立つ」よう、今秋には靴下や肌着など衣服雑貨の基本アイテム72品の値下げを行った。

 6月以降の食品カテゴリーの好調ぶりも顕著であり、それも成長の原動力とする。9月の国内直営店、EC合計の既存店売上高で食品が前年同月比90.5%増、客数は食品が押し上げる形で同9.1%増だったことを例に挙げ、「今の日本の小売業で、店頭客数がここまで取れている企業はほかにない」と自信を見せる。長期的には食品の売り上げ構成比を30%まで高めることを目指しているが、20年8月期は前期から3.4ポイント増え、10.9%まで高まった。

 暖冬によって19年秋冬に膨らんだ余剰在庫は、改めて21年8月期までに正常化すると強調。「休業によって過剰となっていた20年春夏のシーズン商品の在庫は徹底的に売り切った。ベーシック品は持ち越して販売し、正常化を進める」。

 21年8月期の店舗数は国内16店、海外30店の純増を予定する。国内では「都心で人が減り、お客さまは生活圏の近くで買い物をするようになっている」ため、地方や郊外店を重視。特に、緊急事態宣言などが出されても自社判断で営業が継続できる独立路面店の出店を模索し、「(純増する)16店のうち2~3店が独立路面店になる」。7月に出店した新潟・上越市の「無印良品 直江津」は「非常に好調で、9月の単月売上高は全世界で5位だった」という。 

 生活圏に近づくという考え方で、6月からローソンの都内3店舗でも試験的に販売を始めた。「好調を受け、10月から千葉、埼玉の3店舗にも実験店舗を増やしている。21年8月期中に販売を本格化しようとローソン側と話している」という。

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