ファッション

辞任、交代が相次ぐファッション業界 デザイナーたちは疲れているのか?

ラフ・シモンズ(Raf Simons)が就任からわずか3年半で「ディオール(DIOR)」のアーティスティック・ディレクターを辞任したことが、ファッション業界に波紋を呼んでいる。「ランバン(LANVIN)」のアルベール・エルバス(Alber Elbaz)=アーティスティック・ディレクターの退任も重なり、弊紙にはここ数週間、一般紙やファッション誌から本件に関して問い合わせや取材が相次いだ。質問の多くは「デザイナーたちは疲れてしまったのでしょうか?」であった。

エルバスについては、退任の最大理由が、「ランバン」のワン・シャオラン(Shaw-Lan Wang)=オーナーとの方針の不一致であり、2つの“事件”は同一ではくくれない。ラフが契約を更新しない理由については「ラフ・シモンズ(RAF SIMONS)」ブランドとの両立が困難であったことや、「ディオール」の店舗やキャンペーンなどトータルでのクリエイティブに携われないことへのジレンマといったうわさがあがっているが、あくまで推測であり真の背景は分からない。しかし、「ディオール」のデザイナーという、輝かしいキャリアを順調に上っているように見えたその実績と照らし合わせて見れば、「個人的な理由」というラフの言葉が重く響いてくる。

ベルナール・アルノー(Bernard Arnault)LVMHモエ ヘネシー・ルイ ヴィトン社長兼最高経営責任者がラフに送った「心から感謝をしている」という言葉は型通りのものとは言え、経営陣とラフの信頼関係は決して表面的なものではなかったと推察する。今年の7月、「ディオール」のオートクチュールのショーの後にバックステージで見た、シドニー・トレダノ(Sidney Tredano)=クリスチャン ディオール クチュール社長兼CEOと言葉を短く交わした後の、ラフの安堵した表情を思い出す。

だが、それでも忙しすぎた。それが退任の一因であることは間違いないだろう。今春公開された映画「ディオールと私」では、2014年春夏オートクチュール・コレクションを終え、歓喜に沸くバックステージでプレッシャーから解放されたラフの安堵の涙が印象的だった。しかし安堵はつかの間。「ディオール」のアーティスティック・ディレクターは、それこそ休む間もなくオートクチュールとプレタとプレの、年に6回もの、同様のプレッシャーをクリアする必要がある。メゾンを創設したムッシュ・ディオールも15年の「ディオール」のデザイナーがこんなにも多忙だとは想像しなかっただろう。

[rel][item title="【ルック】「ディオール」2016年春夏パリ・コレクション" href="https://www.wwdjapan.com/collection/look/dior/2016-ss-paris-collection/" img=“http://www.wwdjapan.com/collection/wp-content/uploads/sites/3/2015/10/dior.png"][/rel]

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