ファッション

ドナテラ・ヴェルサーチが考える“進化する男性像の今” 

 IPOに向けての準備やジョナサン・エイクロイド新最高経営責任者(CEO)の就任など活発な動きが見られる「ヴェルサーチ」。先日ミラノで発表された2017年春夏メンズ・コレクションは、風をはらむパーカなど軽やかなスタイルが新鮮で、モデルにはいつものような鍛え上げられた筋骨隆々のプロではなく世界中から集めた人種も職種も異なる一般男性を起用した。ドナテラ・ヴェルサーチが、時代とともに変わる男性像と、デザイナーとしての仕事を語る。

WWD:2017年春夏メンズ・コレクションはどんなコレクションか?

ドナテラ:今回のコレクションで新しいのは、軽さと流動感、そして透け感。誰もが世界を旅する時代だから、ナイロンやシルクで仕立てたパーカをはじめ、どれも軽くて持ち運びやすいアイテムを用意したわ。それに、今季はアイロンをピシっとかけるのではなく、あえて着古したような風合いを出している。プリントも洗いをかけたり、色を変えたりして、さりげなくアイコニックな柄を取り入れているの。よりコンテンポラリーで、とても気に入っているわ。

WWD:プリントの選定の基準は?

ドナテラ:バロック(調のプリント)を欲しがる顧客が多いけれど、私はもっと新しいものを提案すべきだし、顧客の要求に従うだけではダメ。ただ、「ヴェルサーチ」のスタイルを変化させるのは、特にメンズウエアでは、少し困難が伴うの。

WWD:それはなぜ?

ドナテラ:男性は、常にレザーパンツやスタッズといった1990年代のジャンニ(・ヴェルサーチ)の分かりやすい定番”を期待するのよ。若者でさえそう。でも私は進化しなければならない。遅かれ早かれ定番には頼っていられない日がくるし、ジャンニのクリエイションは世界中でコピーされている。私はブランドのアイデンティティーをもっと現代的な形で守っていきたいの。

WWD:今季はモデルの見た目もこれまでとは違っていたが?

ドナテラ:そうね。よりスリムで、鍛えてはいるけど“筋トレマニア”ではない男性。今季はブルース・ウェーバーと一緒にキャスティングをして、プロのモデルではない28人を集めたわ。オーストラリアのサーファーもいれば、マイアミのビーチにあるアイスクリーム屋で働いている子もいる。オペラ歌手だっているわ。1つのルックスではなく、個性ある男性のグループで、彼らは完璧ではないけど、リアリティーがあるの。

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