メード・イン・ジャパンにこだわるデザイナーズブランド「バウルズ(VOWELS)」は、フランス人デザイナーのエティエンヌ・デロー(Etienne Deroeux)をクリエイティブ・ディレクターに任命し、新たなスタートを切った。デローは、2026-27年秋冬コレクションをもって退任した八木佑樹の後任となり、27年春夏シーズンからコレクションを手掛けている。
フランス・パリを拠点に活動するデローは、ベルギー・ブリュッセルのラ・カンブル国立美術学校で学んだ後、渡米。ニューヨークで「プロエンザ スクーラー(PROENZA SCHOULER)」や「マシュー エイムズ(MATTHEW AMES)」で経験を積んだ。その後パリに戻り、11年にパリで自身の名を冠したブランドを始動。6年間、ウィメンズウエアを手掛けた。21年にはスタイリストのレイ・ボクサー(Rae Boxer)と共に“クリエイターのためのワードローブ“やオブジェを提案するブランド「フォルマ(FORMA)」を立ち上げ、22年にはコンサルティング・エージェンシーのスーパーソリッド(SUPERSOLID)も設立。「キッドスーパー(KIDSUPER)」や「アディダス オリジナルス(ADIDAS ORIGINALS)」などでデザイン・ディレクターを務めたほか、スケプタ(Skepta)やキッド・カディ(Kid Cudi)をはじめとするミュージシャンのクリエイティブ・プロジェクトも手掛けてきた。現在は定期的に来日するとともに東京にいるチームと密に連携しながら、「バウルズ」の根底にある「守破離」の思想を生かした日本でのモノ作りに取り組んでいる。
「オール ザット ジャズ(All that Jazz)」と題した27年春夏は、耳なじみのある音に予想外のリズムやアレンジが加わるジャズのような感覚をコントラストの効いたスタイルで表現。例えば、1930年代のフローラルモチーフを再解釈したタイルプリントやストライプ、ハート、絞り染めなどを自由に組み合わせたり、黒や茶、白とパステルカラーや鮮やかな青、紫、緑などをミックスしたり。異なるもの同士の間に適度な緊張感を見いだし、その先にある美しいバランスを探求することで、表情豊かでリアリティーのあるコレクションに仕上げた。
服を通じて異なる文化や人々をつなぐことを「バウルズ」の核に据えるデローは「ブランドの原点を大切にしながらも、緻密さ、記憶、そして精神性によって形作られる、前向きで若々しく、モダンな表現で新たな息吹を吹き込みたい」と説明。「ファーストカプセルとなる27年春夏コレクションでは、“ジャズ“というフィルターを通して、そんな新しいアプローチを示した。このような素晴らしい機会を与えてくれた創業者のリトヴィック・クルシュレスタ(Ritvik Kulshrestha)とCEOのチャールズ・ボネル(Charles Bonnel)に深く感謝するとともに、ブランドをさらなる高みへと導いていくことを楽しみにしている」と話す。