
素材見本市「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ」の2026年9月展が1日、パリ・ノール・ヴィルパント見本市会場で開幕した。会期は3日まで。27/28年秋冬向け素材を軸に、糸、生地、皮革、デザイン、アクセサリー、製造の各セクターに900社超が出展する。今回の注目は例年9月中旬だった会期を月初に前倒ししたことと、テキスタイルの枠を超えた新セクター「コスメティック・ヴィレッジ」の新設だ。親会社GLイベンツのもとで変革を進めるフローレンス・ルソン(Florence Rousson)会長に、開幕初日に話を聞いた。
「9月開催はウイメンズ市場のニーズに合わせた」
WWD:今回、会期を9月中旬から月初に前倒しした。出展者の反応は。
ルソン会長:ウィメンズのバイヤーにとっては、このタイミングがいい。市場のリズムに合わせ、マーケットが求めている時期にアテンションを集中させる狙いだ。
WWD:なぜ9月に戻したのか。
ルソン会長:ミラノ・ウニカはメンズに強いが、PVはウィメンズの比率が高い。ウィメンズの購買サイクルを考えれば、9月がベストだった。
WWD:パリ本体の出展者数は減少傾向にある一方で、海外でのサテライト展を増やしている。パリを増やしたいという考えは。
ルソン会長:GLイベンツはファッション分野だけで18の見本市を運営している。世界各地の展示会と連携し、知見を共有しながら市場に適応してきた。パリを無理に大きくするというよりも、やるべきことを着実にやる。カルチャー的に言えば、私たちはインターナショナルな会社だ。その強みを使わない手はない。コロナ後にトラノイの東京版を立ち上げたのも、渡航が難しくなった時代に出展者を東京に集中させ、現地で見てもらえるようにした判断だった。
WWD:PVのサテライト展は今後も増えるのか。
ルソン会長:プロジェクトとしては考えている。機会があればどこへでも行く。最近、インドの「バーラトテックス(Bharat Tex)」と提携のレター・オブ・インテント(LoI)を交わした。展示会の相互連携、輸出促進、共同運営委員会の設置を柱にした枠組みだ。新しい地域との協業は楽しみにしている。
WWD:GLイベンツはファッション以外にもさまざまな産業の見本市を手がけている。他産業と比べたとき、ファッション分野の変化はどうか。
ルソン会長:コロナ前後で一番変わったのは、テクノロジーの活用に対する姿勢だ。デジタルが一気に進んだ一方で、対面でのコミュニケーションを重視する動きも強まった。これはポジティブなインパクトだと捉えている。
WWD:見本市の運営で今後さらに大きく変わりそうなことは。
ルソン会長:提供するサービスそのものが変わっている。ネットワーキング、商談、ビジネスマッチングの重要性が格段に増した。PVのアプリを使えば、来場者自身がフィルターをかけて会いたい出展者を探せるし、マッチングの提案も受けられる。10年前はスマートフォンでの会場内撮影すら禁止だった。今は誰も気にしない。見本市は「場を提供する」だけの存在ではなくなった。出展者と来場者を能動的につなぐ装置へと変わりつつある。