
ニューヨークで“ベストベーグル”の一角として注目を集める「アポロベーグル(APOLLO BAGELES)」が、5月22〜24日の3日間限定で日本初のポップアップを開催する。会場は「ディーン&デルーカ」 カフェ 丸の内。創業者兼ベイカーのジョーイ・スカラブリーノ(Joey Scalabrino)も来日し、自ら店頭に立つ。なお、事前予約分は完売しているものの、当日販売分は店頭で購入可能。各日数量限定で展開する。
すでにリリース段階から話題を呼んでいた今回のポップアップだが、実際に味わって感じたのは、“ニューヨークの人気店”という枕詞だけでは語れない、ベーグルそのものの再解釈だった。
「ディーン&デルーカ」がつないだ“円”
「アポロベーグル」は2020年にニューヨークで創業。23年にダウンタウンで1号店をオープンして以降、開店前から長蛇の列ができる店として話題を集めてきた。ニューヨークタイムズでも“ニューヨーク最高のベーグル店”の一つに選出されるなど、現地では“現象”とも呼ばれる存在になっている。
今回の来日に際しスカラブリーノは、「いつか東京でポップアップをやりたいと思っていた」と語る。「ニューヨークで生まれ育って、シェフになったきっかけも『ディーン&デルーカ』だった。食への興味を広げてくれた存在なんです」。
10代の頃、スケートボードでソーホーを巡りながら、プリンス・ストリートの「ディーン&デルーカ」本店に通っていたというスカラブリーノ氏。今回、「ディーン&デルーカ」丸の内でポップアップを開くことについて、「ひとつの円が閉じるような感覚」と表現した。
“重いパン”ではない、ベーグルの新体験
「アポロベーグル」最大の特徴は、24時間発酵させた天然酵母のサワードゥ生地。毎朝、一つひとつ手で成形し、伝統的な製法で茹でてから焼き上げる。
さらに、ベーグルを半分にカットし、オープンフェイスで提供するスタイルも象徴的だ。色鮮やかなトッピングは、従来の“重たいベーグル”のイメージを大きく更新する。
スカラブリーノ氏は、「日本の小麦に合わせてレシピをたくさん試したが、最終的にはニューヨークで作っているいつものレシピが一番合っていた」と説明。「ベーグルのイメージが変わる体験になるはず」と自信を見せた。実際に食べてみると、その言葉の意味がよく分かる
トマト&クリームチーズ “シンプル”の説得力

まず驚くのは生地の食感だ。外側は香ばしくサクッとしながら、中は驚くほどモチモチ。日本で一般的な“密度の高いベーグル”とは異なり、軽やかさすら感じる。
そこに重なるのが、トマトの爽やかな酸味とクリームチーズの濃厚さ。使っている素材は極めてシンプルなのに、噛むたびに旨みが広がっていく。“トマトとクリームチーズだけで、ここまで完成するのか”と思わされる一品だった。
スモークサーモン&クリームチーズ 素材がぶつからない

こちらは、スモークサーモンの塩気とクリームチーズのコクが絶妙なバランス。濃厚なのに重くならず、最後まで飽きずに食べ進められる。上に散らしたハーブやペッパーもいいアクセントになっていて、それぞれの素材の味をしっかり引き立てている印象だ。
“映えるベーグル”としてだけでなく、味そのものの完成度が高い。ニューヨークの食通たちが支持する理由にも納得感がある。
ベーグルを“カルチャー”として届ける
今回のポップアップでは、ベーグルだけでなく、Tシャツやフーディー、トートバッグなどの限定アパレルも展開する。
「アポロベーグル」が支持される理由は、味だけではない。店舗デザインやグラフィック、アパレルを含めたライフスタイル全体を通して、“ニューヨークの今”を表現している点にある。食とファッション、カルチャーが地続きで存在する感覚。
「アポロベーグル」が東京で提示するのは、単なる“人気ベーグル”ではなく、ニューヨークの空気そのものなのかもしれない。