
梱包材のリユースサービス「シェアバッグ」を運営するcomvey(コンベイ)は、障がい者雇用を推進するプロジェクト「おもいをとどける。みんながよろこぶ。」を始動した。サザビーリーグの特例子会社であるササビーリーグHRと、アダストリア特例子会社のWeOur(ウィーアー)が参画し、「シェアバッグ」の運営業務の一部を6月3日から受託する。
サザビーリーグが出資するcomveyは、2022年6月に創業。アパレル、コスメ、ジュエリーを中心としたEC事業者を対象に、「シェアバッグ」サービスを提供する。利用者は、ECでの商品購入時に「シェアバッグ」を選択すると、繰り返し使用可能な専用のバッグで商品を受け取り、使用後はポストに投函して返却する仕組みだ。
comveyの調査によると、「シェアバッグ」は従来の使い捨てのダンボール梱包と比べ、10回の配送で二酸化炭素排出量を85%以上削減できるという。バッグ1つにつき、50〜100回程度再利用可能で、使用限度に達したものは、パートナー企業とともに素材の95%以上を水平リサイクルし、もう一度新たなバッグの材料として活用する。循環型経済を促進する新たな梱包材の選択肢として、「グッチ(GUCCI)」親会社ケリングが主催する「ケリング・ジェネレーション・アワード(KERING GENERATION AWARD)」のファイナリストにも選出されている。サザビーリーグ傘下ブランドの「アガット(AGETE)」や「マッドハッピー(MADHAPPY)」、アダストリアの「オー・ゼロ・ユー(O0U)」などで導入している。
今回の協業では、これまでcomvey本社に一括返却されていたバッグの一部を、各社が直接受け取り、それぞれのスタッフが清掃・検品業務を行う。数百枚単位からスタートし、年内には数千枚規模での運用を目指す。
一般的に特例子会社ではグループ内の業務受託が主なため、業務領域を広げにくいことが課題として挙げられている。本取り組みでは、バッグのクリーニングといった軽作業を通じてより多くの障がい者スタッフの雇用や働き方を広げている点で社会課題の解決に寄与する施策だ。サザビーリーグHRの担当者は、「今後も段階的に引き上げられる法定雇用率に対応するためにも、職域を拡大し採用する人材の幅を広げることは不可欠であり、社会的意義が高く、お客さまとつながることができる取り組みだ」とコメントした。