サステナビリティ

業界3団体がアパレルの脱炭素推進ガイドライン策定 「できるだけ負担なく削減に着⼿を」

ジャパンサステナブルファッションアライアンス(以下、JSFA)、⼀般社団法⼈⽇本アパレル・ファッション産業協会(以下、JAFIC)および協同組合関⻄ファッション連合(KanFA)は連携し、環境省の「令和6年度バリューチェーン全体での脱炭素化推進モデル事業」の⽀援を受けてアパレル企業が脱炭素を推進するためのガイドラインを策定した。19日には東京で、関連団体ならびに百貨店協会に所属する100名超が参加し説明会が開かれた。

公開された温室効果ガス(以下、GHG)削減の考え方と概算方法に関する資料は、令和5年度にJAFICとJSFAが連携し、環境省の⽀援を受けて作成した解説から一歩進み、GHG削減に向けた考え⽅と削減量および削減率の概算⽅法を具体的にまとめたもの。「各社ができるだけ負担なく削減に着⼿できるよう考慮して作成した」(JSFA)という。

説明会の冒頭であいさつに立った鈴木恒則 JAFIC理事長・CSR委員会委員長は、アパレル産業の脱炭素推進施策について「非常にハードルは高いが、それを承知で何としてでも企業間で協力し実行しなければならない」と参加者に向けて力強くメッセージを送った。続いて登壇した環境省の杉井威夫地球環境局地球温暖化対策課脱炭素ビジネス推進室室長は「バリューチェーン全体の脱炭素化について」と題して講演を行った。2015年のパリ協定採択に始まるカーボンニュートラル実現に向けた国内外の動向や、日本政府が掲げる2050年ネットゼロ目標に向けたグリーン・トランスフォーメーション(GX)のロードマップを投資や規制の内容を交えた図解で解説。スコープ3算定義務化への動きについても触れ「動き出すのは今がラストチャンス」などと団体加盟各社を鼓舞した。

ガイドラインの内容については、JAFICから枝村正芳(ワールドプロダクションパートナーズ品質管理部仕入管理課)と、JSFAから竹内大祐(日本繊維製品品質技術センター)が説明に立ち、作成にいたる経緯にはじまり、排出量の具体的な策定方法や脱炭素化推進活動の例などを解説した。

会見中に繰り返されたのは「すべきことは緻密な算定ではなく、GHGの削減をすること」のメッセージだ。策定にあたっては、3団体の間で「手を止めないための」喧々諤々な議論が重ねられたという。また、サプライヤーなど社外の情報を入手しなくてもGHG削減アクションに着手できるように、算定の具体的な方法を提案。製品を細分化しすぎず「軽衣料」「中衣料」「重衣料」の3つに分類したことが象徴するようにアパレルビジネスに従事する人が使い慣れた言葉を使うなど「できるだけ負担なく削減に着⼿」する方法が考えられている。

資料は各団体の公式サイトから必要事項を記入の上、ダウンロードすることができる。

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